2019年07月11日
Best of ASCO Japan 2019 ② AMG510...KRAS G12C阻害薬
KRASといえば、免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子の一つである(と私は勝手に考えている)。
記事としては見つけられなかったが、ニボルマブの効果予測因子としてKRAS遺伝子変異が役に立つとの報告を何かの研究会で聞いたことがある。
今回はKRASそのものをターゲットとした分子標的薬の話。
過去の苦い経験を踏まえると、大規模臨床試験の結果を見届けるまではコメントしがたい。
また、KRASはドライバー遺伝子変異と言うよりも、多段階発癌の過程で出てくる多数の遺伝子変異のうちの一つ、という印象の方が個人的には強い。
ASCO 2019 abst.#3003
Phase 1 Study Evaluating the Safety, Tolerability, Pharmacokinetics (PK) and Efficacy of AMG 510 , a Novel Small Molecule KRAS G 12 C Inhibitor, in Advanced Solid Tumors
・RASは古くから知られている発がん関連遺伝子異常だが、治療標的としての開発は困難とされてきた
例えば、KRAS遺伝子変異陽性者を対象としたSelumetinibの臨床試験はこんな感じ
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e646669.html
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e898929.html
・KRAS G12Cは非小細胞肺癌においては最も頻度の高いKRAS遺伝子変異で、肺癌患者の13%で認められるとされる
・がん全体の30%でRAS遺伝子変異を認める
・AMG510はGDP結合型KRASに会合する分子標的薬
・2018年に開始した第I相臨床試験が、早くもASCO 2019で報告された
・対象は標準治療をやりつくした進行固形癌の患者で、脳転移を有する患者は除外した
・第I相試験で、参加した患者は35人、うち14人が非小細胞肺癌、19人が結腸癌、残りは膵癌
・毒性は軽微で、用量制限毒性には至らなかった
・非小細胞肺癌では2人が奏効し、2人ともに濃厚な過去治療歴を有していた
・現時点で効果判定対象となった非小細胞肺癌患者10人のうち5人が奏効しており、奏効割合は50%
・まだほとんどの患者が治療を継続している
・肺癌の患者においては、低用量でも有効性が確認されている
記事としては見つけられなかったが、ニボルマブの効果予測因子としてKRAS遺伝子変異が役に立つとの報告を何かの研究会で聞いたことがある。
今回はKRASそのものをターゲットとした分子標的薬の話。
過去の苦い経験を踏まえると、大規模臨床試験の結果を見届けるまではコメントしがたい。
また、KRASはドライバー遺伝子変異と言うよりも、多段階発癌の過程で出てくる多数の遺伝子変異のうちの一つ、という印象の方が個人的には強い。
ASCO 2019 abst.#3003
Phase 1 Study Evaluating the Safety, Tolerability, Pharmacokinetics (PK) and Efficacy of AMG 510 , a Novel Small Molecule KRAS G 12 C Inhibitor, in Advanced Solid Tumors
・RASは古くから知られている発がん関連遺伝子異常だが、治療標的としての開発は困難とされてきた
例えば、KRAS遺伝子変異陽性者を対象としたSelumetinibの臨床試験はこんな感じ
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e646669.html
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e898929.html
・KRAS G12Cは非小細胞肺癌においては最も頻度の高いKRAS遺伝子変異で、肺癌患者の13%で認められるとされる
・がん全体の30%でRAS遺伝子変異を認める
・AMG510はGDP結合型KRASに会合する分子標的薬
・2018年に開始した第I相臨床試験が、早くもASCO 2019で報告された
・対象は標準治療をやりつくした進行固形癌の患者で、脳転移を有する患者は除外した
・第I相試験で、参加した患者は35人、うち14人が非小細胞肺癌、19人が結腸癌、残りは膵癌
・毒性は軽微で、用量制限毒性には至らなかった
・非小細胞肺癌では2人が奏効し、2人ともに濃厚な過去治療歴を有していた
・現時点で効果判定対象となった非小細胞肺癌患者10人のうち5人が奏効しており、奏効割合は50%
・まだほとんどの患者が治療を継続している
・肺癌の患者においては、低用量でも有効性が確認されている
セルペルカチニブ、上市
CLIP1-LTK融合遺伝子の発見・・・LC-SCRUM Asiaから
セルペルカチニブ、2021年12月13日発売予定
セルペルカチニブと過敏症
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
脳転移を有する患者集団に対しても、免疫チェックポイント阻害薬は有効なのか
第4世代ALK阻害薬・・・TPX-0131とNVL-655
セルペルカチニブ、製造販売承認
ドライバー遺伝子変異陽性患者におけるPACIFICレジメンの有効性
HER2遺伝子変異陽性肺がんに対するtrastuzumab deruxtecan
オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか
EGFR/ALK陽性非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法
ドライバー遺伝子異常検出におけるジレンマとmultiplex PCR
中国人患者におけるRET阻害薬(Selpercatinib, Pralsetinib)の有効性
オシメルチニブによる術前療法・・・NeoADAURAの前哨戦
BRAF遺伝子変異と縁がない
RET阻害薬、セルペルカチニブがやってくる
進行が速い進行肺腺がんに遭遇したらどう振る舞うか
ARROW試験のupdated data...RET肺がんとpralsetinib
EGFRエクソン20挿入変異に対するAmivantamab
CLIP1-LTK融合遺伝子の発見・・・LC-SCRUM Asiaから
セルペルカチニブ、2021年12月13日発売予定
セルペルカチニブと過敏症
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
脳転移を有する患者集団に対しても、免疫チェックポイント阻害薬は有効なのか
第4世代ALK阻害薬・・・TPX-0131とNVL-655
セルペルカチニブ、製造販売承認
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HER2遺伝子変異陽性肺がんに対するtrastuzumab deruxtecan
オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか
EGFR/ALK陽性非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法
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中国人患者におけるRET阻害薬(Selpercatinib, Pralsetinib)の有効性
オシメルチニブによる術前療法・・・NeoADAURAの前哨戦
BRAF遺伝子変異と縁がない
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進行が速い進行肺腺がんに遭遇したらどう振る舞うか
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