2021年11月03日
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
患者のことを考えれば、根治切除後できるだけ早い段階でバイオマーカー検索を行っておくのが望ましい。
肺がん領域のみならず、バイオマーカー解析の話題はにぎにぎしい。
対象となるバイオマーカーが増えて、それぞれに異なる検査手法があり、その中にはコンパニオン診断として認められたものとそうでないものがある。
最近では、ひとつの検査で複数のバイオマーカーを調べられるものも出てきている。
加えて、技術的にはどちらの検査でも調べられるバイオマーカーでありながらも、検査Aはコンパニオン診断として認められており、検査Bは認められていない、といったことが発生している。
さらには、各検査手法により必要な検体も異なれば、期待される精度も異なる。
もっと言えば、各検査にかかるお金が高額なうえ、がんゲノムプロファイリング検査ともなれば限られた施設でしかできないため、実施にあたってのハードルが高くなっている。
結果として、一部のマニアックな研究者、臨床家を除いて、バイオマーカー検索は極めて扱いにくい診療となっており、稀なバイオマーカーほどより一層発見されにくい土壌になっている気がする。
たいていの内科臨床医はEGFR遺伝子変異検索とALK免疫染色で満足して、生検組織が大きければOncomine DxTTまで、加えて22C3抗体でPD-L1検索も、といった感じでバイオマーカー検索を行っているのではないだろうか。
これだけでも、相当量の生検検体が必要だろう。
そうした状況であればこそ、せめて外科的切除ができた患者だけでも、切除した病巣が経年劣化しないうちに、早めに網羅的なバイオマーカー解析をしておいた方がいいのではないか、というのが私の考えである。
不幸にして術後再発した際、病巣が生検可能な部位になく、切除病巣は経年劣化のためバイオマーカー検索に不適で、頼みの綱は液性検体での検索のみ、というのはどうにもいただけない。
一歩進んで、バイオマーカー検索目的の外科的肺生検、という考え方もあっていいのではないか。
ADAURA試験やIMpower010試験の結果を受けて、少なくともEGFR遺伝子変異やPD-L1発現状態は切除した病巣を用いてルーチンで調べることになるだろう。
PD-L1発現状態を確認するにあたり使用する免疫染色用モノクローナル抗体のクローンも、内科では使用頻度の多いペンブロリズマブを想定して22C3抗体を、外科では術後補助療法にアテゾリズマブを使用することを想定してSP263抗体を好んで指定する、ということになるかもしれない。
肺がん領域のみならず、バイオマーカー解析の話題はにぎにぎしい。
対象となるバイオマーカーが増えて、それぞれに異なる検査手法があり、その中にはコンパニオン診断として認められたものとそうでないものがある。
最近では、ひとつの検査で複数のバイオマーカーを調べられるものも出てきている。
加えて、技術的にはどちらの検査でも調べられるバイオマーカーでありながらも、検査Aはコンパニオン診断として認められており、検査Bは認められていない、といったことが発生している。
さらには、各検査手法により必要な検体も異なれば、期待される精度も異なる。
もっと言えば、各検査にかかるお金が高額なうえ、がんゲノムプロファイリング検査ともなれば限られた施設でしかできないため、実施にあたってのハードルが高くなっている。
結果として、一部のマニアックな研究者、臨床家を除いて、バイオマーカー検索は極めて扱いにくい診療となっており、稀なバイオマーカーほどより一層発見されにくい土壌になっている気がする。
たいていの内科臨床医はEGFR遺伝子変異検索とALK免疫染色で満足して、生検組織が大きければOncomine DxTTまで、加えて22C3抗体でPD-L1検索も、といった感じでバイオマーカー検索を行っているのではないだろうか。
これだけでも、相当量の生検検体が必要だろう。
そうした状況であればこそ、せめて外科的切除ができた患者だけでも、切除した病巣が経年劣化しないうちに、早めに網羅的なバイオマーカー解析をしておいた方がいいのではないか、というのが私の考えである。
不幸にして術後再発した際、病巣が生検可能な部位になく、切除病巣は経年劣化のためバイオマーカー検索に不適で、頼みの綱は液性検体での検索のみ、というのはどうにもいただけない。
一歩進んで、バイオマーカー検索目的の外科的肺生検、という考え方もあっていいのではないか。
ADAURA試験やIMpower010試験の結果を受けて、少なくともEGFR遺伝子変異やPD-L1発現状態は切除した病巣を用いてルーチンで調べることになるだろう。
PD-L1発現状態を確認するにあたり使用する免疫染色用モノクローナル抗体のクローンも、内科では使用頻度の多いペンブロリズマブを想定して22C3抗体を、外科では術後補助療法にアテゾリズマブを使用することを想定してSP263抗体を好んで指定する、ということになるかもしれない。
セルペルカチニブ、上市
CLIP1-LTK融合遺伝子の発見・・・LC-SCRUM Asiaから
セルペルカチニブ、2021年12月13日発売予定
セルペルカチニブと過敏症
脳転移を有する患者集団に対しても、免疫チェックポイント阻害薬は有効なのか
第4世代ALK阻害薬・・・TPX-0131とNVL-655
セルペルカチニブ、製造販売承認
ドライバー遺伝子変異陽性患者におけるPACIFICレジメンの有効性
HER2遺伝子変異陽性肺がんに対するtrastuzumab deruxtecan
オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか
EGFR/ALK陽性非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法
ドライバー遺伝子異常検出におけるジレンマとmultiplex PCR
中国人患者におけるRET阻害薬(Selpercatinib, Pralsetinib)の有効性
オシメルチニブによる術前療法・・・NeoADAURAの前哨戦
BRAF遺伝子変異と縁がない
RET阻害薬、セルペルカチニブがやってくる
進行が速い進行肺腺がんに遭遇したらどう振る舞うか
ARROW試験のupdated data...RET肺がんとpralsetinib
EGFRエクソン20挿入変異に対するAmivantamab
EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がんに対するMobocertinib(TAK-788)再び
CLIP1-LTK融合遺伝子の発見・・・LC-SCRUM Asiaから
セルペルカチニブ、2021年12月13日発売予定
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脳転移を有する患者集団に対しても、免疫チェックポイント阻害薬は有効なのか
第4世代ALK阻害薬・・・TPX-0131とNVL-655
セルペルカチニブ、製造販売承認
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HER2遺伝子変異陽性肺がんに対するtrastuzumab deruxtecan
オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか
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