2020年01月05日
第II相試験において、メトホルミンがEGFR阻害薬の治療効果を増強
安価で、おそらく世界中のどこでも手に入る2型糖尿病治療薬、メトホルミン。
ほかの分野で汎用されているこうした薬を、抗がん治療と組み合わせる試みは、以前からいくつも試されてきた。
そして、ことごとくその効果が否定されてきた。
最近、急性心筋梗塞患者に対する治療の効果を、痛風治療薬であるコルヒチンが改善したという報告があった。
メトホルミンもそういった薬であってくれるとよいが。
ぜひ、我が国で医師主導第III相試験をやってほしい。
Effect of Metformin Plus Tyrosine Kinase Inhibitors Compared With Tyrosine Kinase Inhibitors Alone in Patients With Epidermal Growth Factor Receptor–Mutated Lung Adenocarcinoma
A Phase 2 Randomized Clinical Trial
Oscar Arrieta. et al. JAMA Oncol. 2019;5(11):e192553. doi:10.1001/jamaoncol.2019.2553
背景:
メトホルミンは2型糖尿病の治療薬だが、抗腫瘍薬として近年再認識されつつある。前臨床試験およびレトロスペクティブ研究により、肺がんを含む様々な悪性新生物に対して治療効果を示すことが示されてきた。とりわけ、メトホルミンとEGFR阻害薬の相乗効果に関するエビデンスが蓄積されてきている。
目的:
進行肺腺がんの患者に対して、EGFR阻害薬単剤治療を行った場合に対し、EGFR阻害薬とメトホルミンを併用した場合に、無増悪生存期間を延長するかどうかを検証すること。
臨床試験デザインと患者:
オープンラベル無作為化第II相臨床試験として、メキシコシティーのthe Instituto Nacional de Cancerología (INCan)において実施された。18歳以上、組織学的にIIIB-IV期の肺腺がんと診断され、EGFR遺伝子変異陽性の患者を対象とした。
プロトコール治療:
患者は、EGFR阻害薬+メトホルミン併用療法群(EM群)かEGFR阻害薬単剤療法群(E群)に無作為に割り付けられた。EGFR阻害薬はエルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブのいずれかを用いることとし、メトホルミンは250mg/回を1日2回服用することとした。プロトコール治療は忍容不能の毒性が出現するか、患者が治療同意を取り下げるまで継続することとした。
評価指標:
主要評価項目は、intent-to-treat解析による無増悪生存期間とした。副次評価項目には奏効割合、病勢コントロール割合、全生存期間、安全性を含めた。
結果:
2016年3月31日から2017年12月31日の期間に、139人の患者を登録し、E群に70人、EM群に69人を割り付けた。平均年齢は59.4歳、65.5%が女性だった。無増悪生存期間中央値は、EM群において有意に延長しており、EM群13.1ヶ月(95%信頼区間は9.8-16.3ヶ月)に対してE群9.9ヶ月(95%信頼区間は7.5-12.2ヶ月)、ハザード比は0.60(95%信頼区間は0.40-0.94、p=0.03)だった。生存期間中央値もEM群において有意に延長しており、EM群31.7ヶ月(95%信頼区間は20.5-42.8ヶ月)に対してE群17.5ヶ月(95%信頼区間は11.4-23.7ヶ月)だった(p=0.02)。
結論:
本試験は、EGFR阻害薬にメトホルミンを上乗せすることにより進行肺腺がん患者の無増悪生存期間を有意に改善することを示した初の前向き臨床試験である。第III相臨床試験でこの結果を再確認する必要がある。
ほかの分野で汎用されているこうした薬を、抗がん治療と組み合わせる試みは、以前からいくつも試されてきた。
そして、ことごとくその効果が否定されてきた。
最近、急性心筋梗塞患者に対する治療の効果を、痛風治療薬であるコルヒチンが改善したという報告があった。
メトホルミンもそういった薬であってくれるとよいが。
ぜひ、我が国で医師主導第III相試験をやってほしい。
Effect of Metformin Plus Tyrosine Kinase Inhibitors Compared With Tyrosine Kinase Inhibitors Alone in Patients With Epidermal Growth Factor Receptor–Mutated Lung Adenocarcinoma
A Phase 2 Randomized Clinical Trial
Oscar Arrieta. et al. JAMA Oncol. 2019;5(11):e192553. doi:10.1001/jamaoncol.2019.2553
背景:
メトホルミンは2型糖尿病の治療薬だが、抗腫瘍薬として近年再認識されつつある。前臨床試験およびレトロスペクティブ研究により、肺がんを含む様々な悪性新生物に対して治療効果を示すことが示されてきた。とりわけ、メトホルミンとEGFR阻害薬の相乗効果に関するエビデンスが蓄積されてきている。
目的:
進行肺腺がんの患者に対して、EGFR阻害薬単剤治療を行った場合に対し、EGFR阻害薬とメトホルミンを併用した場合に、無増悪生存期間を延長するかどうかを検証すること。
臨床試験デザインと患者:
オープンラベル無作為化第II相臨床試験として、メキシコシティーのthe Instituto Nacional de Cancerología (INCan)において実施された。18歳以上、組織学的にIIIB-IV期の肺腺がんと診断され、EGFR遺伝子変異陽性の患者を対象とした。
プロトコール治療:
患者は、EGFR阻害薬+メトホルミン併用療法群(EM群)かEGFR阻害薬単剤療法群(E群)に無作為に割り付けられた。EGFR阻害薬はエルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブのいずれかを用いることとし、メトホルミンは250mg/回を1日2回服用することとした。プロトコール治療は忍容不能の毒性が出現するか、患者が治療同意を取り下げるまで継続することとした。
評価指標:
主要評価項目は、intent-to-treat解析による無増悪生存期間とした。副次評価項目には奏効割合、病勢コントロール割合、全生存期間、安全性を含めた。
結果:
2016年3月31日から2017年12月31日の期間に、139人の患者を登録し、E群に70人、EM群に69人を割り付けた。平均年齢は59.4歳、65.5%が女性だった。無増悪生存期間中央値は、EM群において有意に延長しており、EM群13.1ヶ月(95%信頼区間は9.8-16.3ヶ月)に対してE群9.9ヶ月(95%信頼区間は7.5-12.2ヶ月)、ハザード比は0.60(95%信頼区間は0.40-0.94、p=0.03)だった。生存期間中央値もEM群において有意に延長しており、EM群31.7ヶ月(95%信頼区間は20.5-42.8ヶ月)に対してE群17.5ヶ月(95%信頼区間は11.4-23.7ヶ月)だった(p=0.02)。
結論:
本試験は、EGFR阻害薬にメトホルミンを上乗せすることにより進行肺腺がん患者の無増悪生存期間を有意に改善することを示した初の前向き臨床試験である。第III相臨床試験でこの結果を再確認する必要がある。
セルペルカチニブ、上市
CLIP1-LTK融合遺伝子の発見・・・LC-SCRUM Asiaから
セルペルカチニブ、2021年12月13日発売予定
セルペルカチニブと過敏症
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
脳転移を有する患者集団に対しても、免疫チェックポイント阻害薬は有効なのか
第4世代ALK阻害薬・・・TPX-0131とNVL-655
セルペルカチニブ、製造販売承認
ドライバー遺伝子変異陽性患者におけるPACIFICレジメンの有効性
HER2遺伝子変異陽性肺がんに対するtrastuzumab deruxtecan
オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか
EGFR/ALK陽性非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法
ドライバー遺伝子異常検出におけるジレンマとmultiplex PCR
中国人患者におけるRET阻害薬(Selpercatinib, Pralsetinib)の有効性
オシメルチニブによる術前療法・・・NeoADAURAの前哨戦
BRAF遺伝子変異と縁がない
RET阻害薬、セルペルカチニブがやってくる
進行が速い進行肺腺がんに遭遇したらどう振る舞うか
ARROW試験のupdated data...RET肺がんとpralsetinib
EGFRエクソン20挿入変異に対するAmivantamab
CLIP1-LTK融合遺伝子の発見・・・LC-SCRUM Asiaから
セルペルカチニブ、2021年12月13日発売予定
セルペルカチニブと過敏症
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
脳転移を有する患者集団に対しても、免疫チェックポイント阻害薬は有効なのか
第4世代ALK阻害薬・・・TPX-0131とNVL-655
セルペルカチニブ、製造販売承認
ドライバー遺伝子変異陽性患者におけるPACIFICレジメンの有効性
HER2遺伝子変異陽性肺がんに対するtrastuzumab deruxtecan
オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか
EGFR/ALK陽性非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法
ドライバー遺伝子異常検出におけるジレンマとmultiplex PCR
中国人患者におけるRET阻害薬(Selpercatinib, Pralsetinib)の有効性
オシメルチニブによる術前療法・・・NeoADAURAの前哨戦
BRAF遺伝子変異と縁がない
RET阻害薬、セルペルカチニブがやってくる
進行が速い進行肺腺がんに遭遇したらどう振る舞うか
ARROW試験のupdated data...RET肺がんとpralsetinib
EGFRエクソン20挿入変異に対するAmivantamab
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
|
|
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。