2018年03月06日

KEYNOTE-189 プラチナ+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ

 遅ればせながら、進行非小細胞非扁平上皮肺がんに対するプラチナ+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法の件。
 全生存期間も無増悪生存期間も、中間解析時点で優越性が証明されてしまったとのこと。
 プラチナ+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ vs プラチナ+ペメトレキセドの勝負だった。
 ペンブロリズマブ vs プラチナ+ペメトレキセド+ペンブロリズマブの勝負だったら、どうなるんだろう。
 また、biomarkerとの関係性は?
 ペンブロリズマブ非併用群に対する後治療としてのペンブロリズマブの使い方は?


Merck’s KEYTRUDA(R) (pembrolizumab) Significantly Improved Overall Survival and Progression-Free Survival as First-Line Treatment in Combination with Pemetrexed and Platinum Chemotherapy for Patients with Metastatic Nonsquamous Non-Small Cell Lung Cancer (KEYNOTE-189)
進行非小細胞非扁平上皮肺がんに対する初回治療で、プラチナ+ペメトレキセド併用化学療法にペンブロリズマブを上乗せすることで全生存期間および無増悪生存期間が有意に改善(KEYNOTE-189)

Tuesday, January 16, 2018 6:45 am EST

 KEYNOTE-189試験(進行非小細胞非扁平上皮肺癌への初回治療として、シスプラチンもしくはカルボプラチン+ペメトレキセド併用療法にペンブロリズマブを上乗せすることの意義を検証する試験)において、いずれも主要評価項目として設定されていた全生存期間、無増悪生存期間の延長がともに達成された。今回の報告は、研究事務局とは独立したデータモニタリング委員会による中間解析結果に基づいて行われ、ペンブロリズマブを上乗せすると有意に全生存期間および無増悪生存期間が延長することが確認された。詳細な研究結果は今後の医学関連学会で公表される予定で、また本治療の薬事承認申請が規制当局に対してなされる予定である。

 KEYNOTE-189試験はランダム化二重盲検プラセボ対象第III相臨床試験 (ClinicalTrials.gov, NCT02578680)で、進行非小細胞非扁平上皮肺癌患者に対する初回治療としての、ペンブロリズマブ+シスプラチンもしくはカルボプラチン+ペメトレキセド併用療法とシスプラチンもしくはカルボプラチン+ペメトレキセド併用療法の比較試験であり、PD-L1の発現状態は適格条件に規定されなかった。EGFR遺伝子変異陽性、ALK融合遺伝子陽性の患者、過去に進行がんに対する薬物療法を受けた経験のある患者は除外された。主要評価項目として全生存期間および無増悪生存期間の双方が規定され、服地評価項目として奏効割合、奏効持続期間が規定された。614人が登録され、2:1の割合でペンブロリズマブ併用群と非併用群に割り付けられた。ペンブロリズマブ併用群ではペンブロリズマブ200mg、ペメトレキセド500mg/㎡、シスプラチン75mg/㎡もしくはカルボプラチン5AUCを3週ごとに4コース投与し、その後の維持療法としてペンブロリズマブ200mg、ペメトレキセド500mg/㎡が、非併用群ではペンブロリズマブのプラセボ200mg、ペメトレキセド500mg/㎡、シスプラチン75mg/㎡もしくはカルボプラチン5AUCを3週ごとに4コース投与し、その後の維持療法としてペンブロリズマブのプラセボ200mg、ペメトレキセド500mg/㎡が、それぞれ病勢進行、忍容不能の毒性発現、担当医の中止判断、患者の治療継続同意撤回のいずれかに至るまで継続された。非併用群の患者のうち、病勢進行が中央独立判定で確認された場合には、個別にキーオープンが行われるとともに、プロトコール治療終了後のペンブロリズマブ療法へのクロスオーバーが許容された。


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