2017年07月28日

再生検がらみのポスター発表まとめ

2017年7月27日 日本臨床腫瘍学会総会(神戸市)

P1-122:当院におけるRe-biopsyの現状と問題点
 腫瘍検体を用いたcobas法での検索と、血漿検体を用いたMBP-QP法での検索の比較
 再生検がらみのポスター発表まとめ
 結果の一致率は11/20=55%

P1-123:EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対する再生検の後方視的検討
・56人を対象とした
・治療歴はgefitinib 18人、erlotinib 15人、afatinib 8人
・T790M陽性者は20人(36%)
・再生検の前後で組織型が変化したのは3人(5%)で、腺癌→小細胞癌が1人、腺癌→扁平上皮癌が1人、腺癌→大細胞神経内分泌癌が1人

P1-126:組織型転化を来たしたEGFR陽性肺癌症例の臨床的検討
・Ex.19 deletionの腺癌がEx.19 deletionの扁平上皮癌へ
・Ex.21+de novo T790Mの腺癌がEx.21+T790Mの扁平上皮癌へ
・Ex.19 deletionの腺癌がEx.19 deletionの小細胞癌へ(肝生検でも腰椎穿刺でも同じ結果だった)
・Ex.19 deletionの腺癌がEx.19 deletionの混合型小細胞癌(腺癌+小細胞癌)へ

P1-129:呼吸器内視鏡下再生検による耐性遺伝子T790Mの検出
・28人を対象とした
・腺癌26人、扁平上皮癌1人、小細胞癌1人
・再生検でT790M陽性と確認したのは10人(全体の38.5%)
・再々生検でT790M陽性と確認したのは3人、これを合わせると、T790M陽性患者は全体の48.1%)

P1-130:EGFR変異陽性非小細胞肺癌に対する、初回TKIとしてのアファチニブ投与例におけるT790M変異出現頻度の検討
・13施設での共同研究
・対象となった患者40人に再生検を行い、腫瘍細胞を採取できたのは37人
・Ex.19 deletion / Ex.21 point mutation / others = 21 / 13 / 3
・T790M陽性は16 / 37 = 43.2%
・Ex.19 deletionの患者でT790M陽性だったのは5人(23.8%)
・Ex.21 point mutationの患者でT790M陽性だったのは11人(84.6%)
・minor mutationの患者ではT790M検出されず

P1-166:非小細胞肺癌症例におけるEGFR遺伝子変異のモニタリング
・17人を対象とした
・腺癌15人、扁平上皮癌1人、NOS1人
・再生検時も組織型は変化なし
・T790Mは7人で陽性(41%)、そのうち、前治療がgefitinibだったのは6人、erlotinibだったのは1人


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Posted by tak at 00:29│Comments(0)検査法
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