2014年12月17日

シスプラチン+ペメトレキセド+丸山ワクチン併用療法④コース終了

 シスプラチン+ペメトレキセド+丸山ワクチン併用療法を④コース終えた患者さん、昨日2回目の効果判定を行いました。
 縮小率は34%程度で、ようやく部分奏効にこぎつけました。
 有害事象は化学療法day2-3ごろの食欲不振、便秘くらいで、安全に継続できています。
 丸山ワクチンを接種し始めてから食欲が増進傾向にあるようで、これもまあ見方によっては有害事象かもしれません。

 患者さん、ご家族と相談しましたが、できるところまで今の治療を続けたいとのご希望でした。
 一般にシスプラチン併用化学療法は⑥コースまでは継続していいことになっているのでそこまで続けて、その後ペメトレキセドの維持療法に移行します。

 来週は今年最後の⑤コース目。
 抗がん薬調整から点滴管理までをすべて自分で行うのは骨が折れますが、治療効果が出ているからやる気も倍増です。
 患者さんも週に3回もワクチン注射のために遠くから通ってくださっているわけですし、一緒に頑張ります。


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この記事へのコメント
シスプラチンーペメトレキセドーアバスチンを主治医からセカンドラインとして提示されているところでこのテーマが気になってしまいました。丸山ワクチンとの併用だからこその副作用の軽減なのか、そして効果なのか、なかなか評価は難しいのですよね。
実は私の関心事は「併用の意味(意義)」です。私はザーコリ単剤で来てましたが、いわゆる抗ガン剤は併用パターンが多いですね。これは組み合わせることで、パターンを増やし、耐性後の次の組み合わせを増やす戦略なのでしょうか。そして医師は2種とするか、3種とするか、無数にある抗ガン剤から何を選ぶかは、パターン帳(標準)があってそれに従うものなのでしょうか。それとも職人のように経験則からでしょうか。
Posted by こころ at 2015年02月12日 22:20
こころさんへ
 丸山ワクチンについての評価は、個別症例を見ただけではなかなか難しいですね。いまのところ「信じて続ける」といった治療です。ワクチン接種だけのために週に3回病院に来て注射を受ける・・・信じてないと続けられません。
 併用療法は、臨床試験の繰り返しで確立されてきたものです。抗がん薬1種類よりは2種類併用の方が効果が高い(高齢者や分子標的薬ではそうとも限りませんが)、少なくとも一剤はプラチナ製剤がよい、3剤以上の併用は毒性が増すばかりであまり効果は増さない、といったことがわかっています。どの組み合わせがいいかは、過去の臨床試験の結果を踏まえて選択されていると思います。
Posted by taktak at 2015年02月13日 08:30
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