2020年05月21日
NEJ-026試験の全生存期間解析・・・やっぱりそうですよね。
NEJ-026試験のことは以前に触れた。
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e944390.html
全生存期間の解析結果が今回示されたわけだが・・・やっぱりそうですよね。
統計学的有意差はつかなかった。
ベバシズマブ上乗せは、無増悪生存期間は延長するが、全生存期間は延長しない。
とはいえ、生存期間中央値でいえば、BE群は50.7ヶ月、E群は46.2ヶ月。
その差4.5ヶ月は、決して無視できない。
そして、JO25567試験とNEJ-026試験で、E群の生存期間中央値が再現性を以て約4年と示されたのは、個人的には注目に値する。
後治療の影響が大きすぎて、もはや全生存期間解析はあまり意味をなしていない。
Exon 21点突然変異の患者では、ベバシズマブ上乗せを検討する価値、さらにあるかもしれない。
また、Exon20挿入変異の患者の治療で、ベバシズマブをうまく活かせないだろうか。
NEJ026: Final overall survival analysis of bevacizumab plus erlotinib treatment for NSCLC patients harboring activating EGFR-mutations.
Makoto Maemondo et al.
2020 ASCO Virtual Scientific Program
abst.#9506
背景:
EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者において、ベバシズマブ+エルロチニブ併用療法はエルロチニブ単剤療法と比較して有意に無増悪生存期間を延長することが、第III相NEJ-026試験において既に示されている。しかしながら、結果解析時点では全生存期間に関するデータはまだ不十分だった。
方法:
化学療法未施行、EGFR遺伝子変異陽性の進行非扁平上皮非小細胞肺がん患者を対象として、エルロチニブ+ベバシズマブ併用療法(BE)群とエルロチニブ単剤療法(E)群に無作為に割り付けた。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間、奏効割合、安全性、QoLだった。
結果:
226人の患者がBE群(112人)とE群(114人)に割り付けられた。全生存期間解析を行うにあたり、データカットオフは2019年11月30日時点に設定した。追跡期間中央値は39.2ヶ月だった。生存期間中央値は、BE群で50.7ヶ月(95%信頼区間は37.3ヶ月から未到達)、E群で46.2ヶ月(95%信頼区間は38.2ヶ月から未到達)で、ハザード比は1.00、95%信頼区間は0.68-1.48)だった。BE群のうち29人(25.9%)、E群のうち26人(23.2%)は二次治療としてオシメルチニブを使用した。患者登録から二次治療後の病勢進行までの生存期間(PFS2)の中央値は、BE群で28.6ヶ月(95%信頼区間は22.1-35.9ヶ月)、E群で24.3ヶ月(95%信頼区間は20.4-29.1ヶ月)で、ハザード比は0.80、95%信頼区間は0.59-1.10だった。両群において、二次治療としてオシメルチニブを使用した場合の生存期間中央値はその他の薬物療法と比較して延長していた(オシメルチニブでは50.7ヶ月、95%信頼区間は38.0-50.7ヶ月、他の薬物療法では40.1ヶ月、95%信頼区間は29.5ヶ月から未到達)で、ハザード比は0.645、95%信頼区間は0.40-1.03)だった。
結論:
EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者に対し、エルロチニブ単剤療法にベバシズマブを上乗せする効果は、時間経過とともに薄れていき、PFS2や全生存期間には有意差を及ぼさないことが分かった。
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e944390.html
全生存期間の解析結果が今回示されたわけだが・・・やっぱりそうですよね。
統計学的有意差はつかなかった。
ベバシズマブ上乗せは、無増悪生存期間は延長するが、全生存期間は延長しない。
とはいえ、生存期間中央値でいえば、BE群は50.7ヶ月、E群は46.2ヶ月。
その差4.5ヶ月は、決して無視できない。
そして、JO25567試験とNEJ-026試験で、E群の生存期間中央値が再現性を以て約4年と示されたのは、個人的には注目に値する。
後治療の影響が大きすぎて、もはや全生存期間解析はあまり意味をなしていない。
Exon 21点突然変異の患者では、ベバシズマブ上乗せを検討する価値、さらにあるかもしれない。
また、Exon20挿入変異の患者の治療で、ベバシズマブをうまく活かせないだろうか。
NEJ026: Final overall survival analysis of bevacizumab plus erlotinib treatment for NSCLC patients harboring activating EGFR-mutations.
Makoto Maemondo et al.
2020 ASCO Virtual Scientific Program
abst.#9506
背景:
EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者において、ベバシズマブ+エルロチニブ併用療法はエルロチニブ単剤療法と比較して有意に無増悪生存期間を延長することが、第III相NEJ-026試験において既に示されている。しかしながら、結果解析時点では全生存期間に関するデータはまだ不十分だった。
方法:
化学療法未施行、EGFR遺伝子変異陽性の進行非扁平上皮非小細胞肺がん患者を対象として、エルロチニブ+ベバシズマブ併用療法(BE)群とエルロチニブ単剤療法(E)群に無作為に割り付けた。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間、奏効割合、安全性、QoLだった。
結果:
226人の患者がBE群(112人)とE群(114人)に割り付けられた。全生存期間解析を行うにあたり、データカットオフは2019年11月30日時点に設定した。追跡期間中央値は39.2ヶ月だった。生存期間中央値は、BE群で50.7ヶ月(95%信頼区間は37.3ヶ月から未到達)、E群で46.2ヶ月(95%信頼区間は38.2ヶ月から未到達)で、ハザード比は1.00、95%信頼区間は0.68-1.48)だった。BE群のうち29人(25.9%)、E群のうち26人(23.2%)は二次治療としてオシメルチニブを使用した。患者登録から二次治療後の病勢進行までの生存期間(PFS2)の中央値は、BE群で28.6ヶ月(95%信頼区間は22.1-35.9ヶ月)、E群で24.3ヶ月(95%信頼区間は20.4-29.1ヶ月)で、ハザード比は0.80、95%信頼区間は0.59-1.10だった。両群において、二次治療としてオシメルチニブを使用した場合の生存期間中央値はその他の薬物療法と比較して延長していた(オシメルチニブでは50.7ヶ月、95%信頼区間は38.0-50.7ヶ月、他の薬物療法では40.1ヶ月、95%信頼区間は29.5ヶ月から未到達)で、ハザード比は0.645、95%信頼区間は0.40-1.03)だった。
結論:
EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者に対し、エルロチニブ単剤療法にベバシズマブを上乗せする効果は、時間経過とともに薄れていき、PFS2や全生存期間には有意差を及ぼさないことが分かった。
セルペルカチニブ、上市
CLIP1-LTK融合遺伝子の発見・・・LC-SCRUM Asiaから
セルペルカチニブ、2021年12月13日発売予定
セルペルカチニブと過敏症
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
脳転移を有する患者集団に対しても、免疫チェックポイント阻害薬は有効なのか
第4世代ALK阻害薬・・・TPX-0131とNVL-655
セルペルカチニブ、製造販売承認
ドライバー遺伝子変異陽性患者におけるPACIFICレジメンの有効性
HER2遺伝子変異陽性肺がんに対するtrastuzumab deruxtecan
オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか
EGFR/ALK陽性非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法
ドライバー遺伝子異常検出におけるジレンマとmultiplex PCR
中国人患者におけるRET阻害薬(Selpercatinib, Pralsetinib)の有効性
オシメルチニブによる術前療法・・・NeoADAURAの前哨戦
BRAF遺伝子変異と縁がない
RET阻害薬、セルペルカチニブがやってくる
進行が速い進行肺腺がんに遭遇したらどう振る舞うか
ARROW試験のupdated data...RET肺がんとpralsetinib
EGFRエクソン20挿入変異に対するAmivantamab
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