2019年10月01日

KEYNOTE-024 data updated

 TPS>50%の患者に対する初回ペンブロリズマブ単剤療法の有効性を検討したKEYNOTE-024試験。
 これまで何度となく取り上げてきた。

http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e856772.html
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e874097.html
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e906138.html
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e914135.html

 WCLC2019でupdate dataが公表されていた。

KEYNOTE-024 data updated
KEYNOTE-024 data updated

 生存期間中央値はペンブロリズマブ群で26.3ヶ月、化学療法群で14.2ヶ月と、ペンブロリズマブ群の生存期間が以前よりやや短縮し、
その差が縮まっていた。
 しかし、今回の生存曲線を見る限り、ペンブロリズマブ群には39ヶ月未満の時期における打ち切り例がほぼ認められず、3年までの生存データとしてはほぼ確定したと言っていいだろう。
 ハザード比0.65、生存期間はほぼダブルスコアという事実は変わっていない。

 さらに驚くのは、一旦奏効したら、奏効持続期間(DoR)が極めて長いということだ。
 ペンブロリズマブ群の奏効持続期間は未だに中央値に達しておらず、奏効した患者の半数以上は3年間を経過してもなお、腫瘍縮小状態を維持している。
 また、最後のコメントからは、ペンブロリズマブ再投与を受けた患者にも何らかの恩恵がありそうな雰囲気が感じられる。



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この記事へのコメント
tak先生、いつも勉強させて頂いています.
ペンブロリズマブ投与最近著効しても重篤な心筋炎・MGを立て続けに経験し,若年はともかく75歳以上の高齢者については引き気味で説明することが多くなってきました.
また更新楽しみにしています.
Posted by SAS at 2019年10月01日 21:30
SAS先生へ
 コメントありがとうございます。本業が落ち着いているときしか更新できないのが最近の悩みです。化学療法併用の有無に関わらず、免疫チェックポイント阻害薬で予想外の有害事象に遭遇すると、そのあとの治療はどうしても腰が引けてしまいますよね。呼吸器内科、腫瘍内科だけでは対処しがたい有害事象に見舞われたとき、患者・家族や他科の先生方の理解と協力がどのくらい得られるかが、それぞれの担当医や診療科、施設の取り組みを左右する気がします。年齢の線引きをどこにするかはともかくとして、高齢者、PS不良の患者に対して化学療法・免疫チェックポイント阻害薬併用を引き気味に説明するというのは賛成です。
 とは言え、これだけ治療効果に差があると、第一選択としないわけにはいきませんね。
Posted by tak at 2019年10月02日 09:03
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