2021年04月19日
進行肝細胞がんに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法
以前、未治療進行非小細胞肺がんに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法についての第II相臨床試験である、@Be studyについて触れた。
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e986859.html
最近、進行肝細胞がんの治療に触れる機会があったのだが、肝細胞がんの領域ではアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法は標準治療になっているらしい。
論文に行き当たったので要約だけ読んでみた。
Atezolizumab plus Bevacizumab in Unresectable Hepatocellular Carcinoma
Richard S Finn et al., N Engl J Med. 2020 May 14;382(20):1894-1905.
doi: 10.1056/NEJMoa1915745.
背景:
アテゾリズマブとベバシズマブの併用療法は、切除不能肝細胞がん患者を対象とした第Ib相試験において、有望な抗腫瘍活性と安全性を示した。
方法:
国際オープンラベル第III相臨床試験において、全身薬物療法歴のない切除不能肝細胞癌患者を対象として、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法群(AB群)とソラフェニブ単剤療法群(S群)に2:1の割合で無作為に割り付けた。治療は忍容不能の毒性が出現するか、あるいは臨床的有用性がなくなるまで継続された。主要評価項目は2つ設定され、intention-to-treat解析における全生存期間と無増悪生存期間とされた。効果判定はRECIST ver.1.1に基づき、独立した効果判定委員会により行われた。
結果:
AB群に336人、S群に165人が組み入れられた。初回解析(2019年8月29日)の時点で、S群に対するAB群の全生存期間のハザード比は0.58(95%信頼区間は0.42-0.79、p<0.001)だった。12ヶ月生存割合はAB群で67.2%(95%信頼区間は61.3-73.1)で、S群で54.6%(95%信頼区間は45.2-64.0)だった。無増悪生存期間中央値はAB群で6.8ヶ月(95%信頼区間は5.7-8.3)、S群で4.3ヶ月(95%信頼区間は4.0-5.6)、ハザード比は0.59(95%信頼区間は0.47-0.76、p<0.001)だった。Grade 3-4の有害事象はAB群の治療を受けた患者329人のうち56.5%を、S群156人のうち55.1%を占めていた。Grade 3-4の高血圧はAB群の15.2%で認められた。しかし、その他の高度毒性の頻度は少なかった。
結論:
切除不能肝細胞がんの患者において、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法はソラフェニブよりも有意に全生存期間、無増悪生存期間を延長した。
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e986859.html
最近、進行肝細胞がんの治療に触れる機会があったのだが、肝細胞がんの領域ではアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法は標準治療になっているらしい。
論文に行き当たったので要約だけ読んでみた。
Atezolizumab plus Bevacizumab in Unresectable Hepatocellular Carcinoma
Richard S Finn et al., N Engl J Med. 2020 May 14;382(20):1894-1905.
doi: 10.1056/NEJMoa1915745.
背景:
アテゾリズマブとベバシズマブの併用療法は、切除不能肝細胞がん患者を対象とした第Ib相試験において、有望な抗腫瘍活性と安全性を示した。
方法:
国際オープンラベル第III相臨床試験において、全身薬物療法歴のない切除不能肝細胞癌患者を対象として、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法群(AB群)とソラフェニブ単剤療法群(S群)に2:1の割合で無作為に割り付けた。治療は忍容不能の毒性が出現するか、あるいは臨床的有用性がなくなるまで継続された。主要評価項目は2つ設定され、intention-to-treat解析における全生存期間と無増悪生存期間とされた。効果判定はRECIST ver.1.1に基づき、独立した効果判定委員会により行われた。
結果:
AB群に336人、S群に165人が組み入れられた。初回解析(2019年8月29日)の時点で、S群に対するAB群の全生存期間のハザード比は0.58(95%信頼区間は0.42-0.79、p<0.001)だった。12ヶ月生存割合はAB群で67.2%(95%信頼区間は61.3-73.1)で、S群で54.6%(95%信頼区間は45.2-64.0)だった。無増悪生存期間中央値はAB群で6.8ヶ月(95%信頼区間は5.7-8.3)、S群で4.3ヶ月(95%信頼区間は4.0-5.6)、ハザード比は0.59(95%信頼区間は0.47-0.76、p<0.001)だった。Grade 3-4の有害事象はAB群の治療を受けた患者329人のうち56.5%を、S群156人のうち55.1%を占めていた。Grade 3-4の高血圧はAB群の15.2%で認められた。しかし、その他の高度毒性の頻度は少なかった。
結論:
切除不能肝細胞がんの患者において、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法はソラフェニブよりも有意に全生存期間、無増悪生存期間を延長した。
お引越しします
追憶
肺がん患者に3回目の新型コロナウイルスワクチン接種は必要か
そろりと面会制限の限定解除
新型コロナウイルスワクチンの効果と考え方
新型コロナワクチン感染症が治った人は、ワクチンを接種すべきか
抗がん薬治療における刺身・鮨との付き合い方
広い意味でのチーム医療
病院内におけるワクチン格差のリスク
順序
2015年度のデータベースから
2014年度のデータベースから
2013年度のデータベースから
2012年度のデータベースから
2011年度のデータベースから
2010年度のデータベースから
2009年度のデータベースから
2008年度のデータベースから
がんと新型コロナウイルスワクチン
新型コロナウイルスワクチン(コミナティ)体験記
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順序
2015年度のデータベースから
2014年度のデータベースから
2013年度のデータベースから
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2008年度のデータベースから
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