2020年02月05日
ASCOによる、根治療法後の肺がん患者に対する経過観察ガイドライン2019
肺がんに対する手術、あるいは化学放射線療法後の経過観察は、個々の担当医のやり方に委ねられている。
我が国の実地臨床に受け入れられるかどうかはともかくとして、米国臨床腫瘍学会(ASCO)から、経過観察のためのガイドラインが公表されていた。
要点を以下に記す。
この内容からすると、根治療法後の再発確認目的での画像診断を、FDG-PETだけで行うのは愚の骨頂といえる。
レントゲンやCTでの経過観察中に、参考所見を得るためにFDG-PETを用いるのは、まだ許されるかもしれない。
また、腫瘍マーカーを採用しないというのは、個人的には受け入れがたい。
なぜならば、定期検査の腫瘍マーカーの異常がきっかけとなって、再発や他臓器の新規がんが見つかることがあるからだ。
コストパフォーマンス、患者への侵襲の点からも有利な定期検査手段だと感じる。
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e969127.html
Lung Cancer Surveillance After Definitive Curative-Intent Therapy: ASCO Guideline
Bryan J. Schneider et al.
DOI: 10.1200/JCO.19.02748 Journal of Clinical Oncology
Published online December 12, 2019.
推奨事項1.1
治療後2年間は、6か月ごとに再発チェック目的の画像診断を行うよう推奨する。
推奨事項1.2
治療後2年間経過後は、新規の原発性肺がん発生をチェックする目的で、年に1回は画像診断を行うよう推奨する。
推奨事項2.1
治療後2年間に行う診断目的のCTスキャンでは、血管造影の有無にかかわらず、副腎レベルまでを含む撮像範囲で行うことを推奨する。
再発確認目的で、腹部や骨盤までを撮像範囲に含むメリットについては、エビデンスがない。
推奨事項2.2
治療後2年間経過後、新規の原発性肺がん発生をチェックする目的での胸部CT撮影では、低線量CTの条件で撮影することを推奨する。
推奨事項2.3
根治療法後の肺がん患者に対し、経過観察目的の画像診断としてFDG-PETを行うことは推奨しない。
推奨事項3
根治療法後、合併症により治療対象とならない、もしくはすでに終了した内容以上の治療をするつもりのない患者に対しては、経過観察目的の画像診断は見送っても差し支えない。また、年齢のみを理由に経過観察目的の画像診断を見送ってはならない。全般的な健康状態、背景疾患の状態、患者の希望を考慮しなければならない。
推奨事項4
根治療法後の肺がん患者に対して、腫瘍マーカーを再発チェック目的の手段として用いることは推奨しない。
推奨事項5.1
臨床病期I-III期の根治療法後非小細胞肺がん患者に対して、脳転移再発確認目的での定期的な頭部MRIは推奨しない。
推奨事項5.2
臨床病期I-III期の根治療法後小細胞肺がんの患者で、予防的全脳照射を受けていない患者に対しては、治療後最初の1年間は3か月ごとに、次の1年間は半年ごとに頭部MRIを撮影することを患者に提案することを推奨する。予防的全脳照射を受けた患者に対しても、同じ管理を勧めてもよい。それ以降は、無症候性の患者に対して定期的な頭部MRIを勧めるべきではない。
我が国の実地臨床に受け入れられるかどうかはともかくとして、米国臨床腫瘍学会(ASCO)から、経過観察のためのガイドラインが公表されていた。
要点を以下に記す。
この内容からすると、根治療法後の再発確認目的での画像診断を、FDG-PETだけで行うのは愚の骨頂といえる。
レントゲンやCTでの経過観察中に、参考所見を得るためにFDG-PETを用いるのは、まだ許されるかもしれない。
また、腫瘍マーカーを採用しないというのは、個人的には受け入れがたい。
なぜならば、定期検査の腫瘍マーカーの異常がきっかけとなって、再発や他臓器の新規がんが見つかることがあるからだ。
コストパフォーマンス、患者への侵襲の点からも有利な定期検査手段だと感じる。
http://oitahaiganpractice.junglekouen.com/e969127.html
Lung Cancer Surveillance After Definitive Curative-Intent Therapy: ASCO Guideline
Bryan J. Schneider et al.
DOI: 10.1200/JCO.19.02748 Journal of Clinical Oncology
Published online December 12, 2019.
推奨事項1.1
治療後2年間は、6か月ごとに再発チェック目的の画像診断を行うよう推奨する。
推奨事項1.2
治療後2年間経過後は、新規の原発性肺がん発生をチェックする目的で、年に1回は画像診断を行うよう推奨する。
推奨事項2.1
治療後2年間に行う診断目的のCTスキャンでは、血管造影の有無にかかわらず、副腎レベルまでを含む撮像範囲で行うことを推奨する。
再発確認目的で、腹部や骨盤までを撮像範囲に含むメリットについては、エビデンスがない。
推奨事項2.2
治療後2年間経過後、新規の原発性肺がん発生をチェックする目的での胸部CT撮影では、低線量CTの条件で撮影することを推奨する。
推奨事項2.3
根治療法後の肺がん患者に対し、経過観察目的の画像診断としてFDG-PETを行うことは推奨しない。
推奨事項3
根治療法後、合併症により治療対象とならない、もしくはすでに終了した内容以上の治療をするつもりのない患者に対しては、経過観察目的の画像診断は見送っても差し支えない。また、年齢のみを理由に経過観察目的の画像診断を見送ってはならない。全般的な健康状態、背景疾患の状態、患者の希望を考慮しなければならない。
推奨事項4
根治療法後の肺がん患者に対して、腫瘍マーカーを再発チェック目的の手段として用いることは推奨しない。
推奨事項5.1
臨床病期I-III期の根治療法後非小細胞肺がん患者に対して、脳転移再発確認目的での定期的な頭部MRIは推奨しない。
推奨事項5.2
臨床病期I-III期の根治療法後小細胞肺がんの患者で、予防的全脳照射を受けていない患者に対しては、治療後最初の1年間は3か月ごとに、次の1年間は半年ごとに頭部MRIを撮影することを患者に提案することを推奨する。予防的全脳照射を受けた患者に対しても、同じ管理を勧めてもよい。それ以降は、無症候性の患者に対して定期的な頭部MRIを勧めるべきではない。
フィルムとシャウカステンの文化
診断がつかないことの喜び
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
肺がんCT検診の比較試験:JECS Study
人工知能による胸部レントゲン読影支援
末梢病変穿刺用キット・・・Periview Flex
IMpower133試験、updated data
EGFR耐性機構としてのRET融合遺伝子出現と、オシメルチニブ+selpercatinib併用療法
RET陽性肺がんの臨床的特徴と治療反応性 シンガポール国立がんセンターの報告から
RET融合遺伝子陽性肺がんに対するselpercatinibの第III相試験:LIBRETTO-431試験の概要
オンコマインDx Target Test マルチ CDxシステム一時供給停止
学会報告0004:術前診断のついていなかった小細胞肺がん手術例のまとめ
あれから20年も、この先10年も
臨床像を信じるか、病理像を信じるか
「Class IIIB」を異なる立場で見てみると
経気管支肺生検の下準備
ドライバー遺伝子変異検査に関する要望書
ドライバー変異林立時代の診断の在り方を真剣に考える
TepotinibがMET exon 14 skipping mutation陽性の非小細胞肺がんに対する承認を取得
リキッドバイオプシーの回数制限緩和
診断がつかないことの喜び
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
肺がんCT検診の比較試験:JECS Study
人工知能による胸部レントゲン読影支援
末梢病変穿刺用キット・・・Periview Flex
IMpower133試験、updated data
EGFR耐性機構としてのRET融合遺伝子出現と、オシメルチニブ+selpercatinib併用療法
RET陽性肺がんの臨床的特徴と治療反応性 シンガポール国立がんセンターの報告から
RET融合遺伝子陽性肺がんに対するselpercatinibの第III相試験:LIBRETTO-431試験の概要
オンコマインDx Target Test マルチ CDxシステム一時供給停止
学会報告0004:術前診断のついていなかった小細胞肺がん手術例のまとめ
あれから20年も、この先10年も
臨床像を信じるか、病理像を信じるか
「Class IIIB」を異なる立場で見てみると
経気管支肺生検の下準備
ドライバー遺伝子変異検査に関する要望書
ドライバー変異林立時代の診断の在り方を真剣に考える
TepotinibがMET exon 14 skipping mutation陽性の非小細胞肺がんに対する承認を取得
リキッドバイオプシーの回数制限緩和
Posted by tak at 20:13│Comments(0)
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