2017年01月19日
PD-L1発現の評価
Pembrolizumabの臨床導入に向けて、少しずつ体制が整いつつある。
効果予測因子として知られるPD-L1発現状態を調べる22C3抗体は既に厚労省の承認を受けているらしい。
Pembrolizumab自体は9月に悪性黒色腫に対して製造販売承認、12月に非小細胞肺癌に対して適応拡大承認が成されたが、2月に予定されるNivolumabの薬価引き下げ後に保険償還が認められるようになる見通しだ。
そのため、現時点では通常の実地臨床でPembrolizumabを使用することはできない。
一方、過去にいくつかの有望な薬で行われたように、保険償還が認められる前の倫理供給という形で、一部の施設では使用可能になっており、一般の新聞にも掲載されていた。
一般臨床家として気になるのは、Pembrolizumabの適用条件がどのようになるか、である。
腫瘍組織におけるPD-L1発現状態が義務付けられるのであれば、生検診断時には大きめの組織を取って、PD-L1の評価に耐えるように配慮しなければならない。
こうした世の中の流れを、診断医が踏まえていないとunder diagnosisに陥り、患者の治療機会を逸することになる。
昨年のワークショップで病理医の先生が、
「気管支鏡生検時にガイドシース越しに採取した腫瘍組織は小さすぎて、とてもじゃないがPD-L1発現状態を見るのは厳しい」
とおっしゃっていた。
一方、昨日閲覧したwebセミナーでは、米国メモリアル・スローンケタリング病院のある先生が、
「PD-L1の発現状態は、実際に調べてみると二極化する傾向が強い」
「陽性の患者は強陽性だし、陰性の患者ではほとんどPD-L1発現がない」
「中間層の患者もいないことはないが、実際にはあまり気にしなくてよい程度の頻度だろう」
とコメントしていた。
進行期の肺癌において、我が国では気管支鏡下生検が、米国では穿刺針生検が一般的とされているため、採取される組織の大きさの違いがあり、その点も踏まえて上記のコメントを参照したい。
今後は進行期非小細胞肺癌の全例でPD-L1発現状態を確認することになる。
病理医の負担は増すばかりだが、大丈夫だろうか。
効果予測因子として知られるPD-L1発現状態を調べる22C3抗体は既に厚労省の承認を受けているらしい。
Pembrolizumab自体は9月に悪性黒色腫に対して製造販売承認、12月に非小細胞肺癌に対して適応拡大承認が成されたが、2月に予定されるNivolumabの薬価引き下げ後に保険償還が認められるようになる見通しだ。
そのため、現時点では通常の実地臨床でPembrolizumabを使用することはできない。
一方、過去にいくつかの有望な薬で行われたように、保険償還が認められる前の倫理供給という形で、一部の施設では使用可能になっており、一般の新聞にも掲載されていた。
一般臨床家として気になるのは、Pembrolizumabの適用条件がどのようになるか、である。
腫瘍組織におけるPD-L1発現状態が義務付けられるのであれば、生検診断時には大きめの組織を取って、PD-L1の評価に耐えるように配慮しなければならない。
こうした世の中の流れを、診断医が踏まえていないとunder diagnosisに陥り、患者の治療機会を逸することになる。
昨年のワークショップで病理医の先生が、
「気管支鏡生検時にガイドシース越しに採取した腫瘍組織は小さすぎて、とてもじゃないがPD-L1発現状態を見るのは厳しい」
とおっしゃっていた。
一方、昨日閲覧したwebセミナーでは、米国メモリアル・スローンケタリング病院のある先生が、
「PD-L1の発現状態は、実際に調べてみると二極化する傾向が強い」
「陽性の患者は強陽性だし、陰性の患者ではほとんどPD-L1発現がない」
「中間層の患者もいないことはないが、実際にはあまり気にしなくてよい程度の頻度だろう」
とコメントしていた。
進行期の肺癌において、我が国では気管支鏡下生検が、米国では穿刺針生検が一般的とされているため、採取される組織の大きさの違いがあり、その点も踏まえて上記のコメントを参照したい。
今後は進行期非小細胞肺癌の全例でPD-L1発現状態を確認することになる。
病理医の負担は増すばかりだが、大丈夫だろうか。
フィルムとシャウカステンの文化
診断がつかないことの喜び
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
肺がんCT検診の比較試験:JECS Study
人工知能による胸部レントゲン読影支援
末梢病変穿刺用キット・・・Periview Flex
IMpower133試験、updated data
EGFR耐性機構としてのRET融合遺伝子出現と、オシメルチニブ+selpercatinib併用療法
RET陽性肺がんの臨床的特徴と治療反応性 シンガポール国立がんセンターの報告から
RET融合遺伝子陽性肺がんに対するselpercatinibの第III相試験:LIBRETTO-431試験の概要
オンコマインDx Target Test マルチ CDxシステム一時供給停止
学会報告0004:術前診断のついていなかった小細胞肺がん手術例のまとめ
あれから20年も、この先10年も
臨床像を信じるか、病理像を信じるか
「Class IIIB」を異なる立場で見てみると
経気管支肺生検の下準備
ドライバー遺伝子変異検査に関する要望書
ドライバー変異林立時代の診断の在り方を真剣に考える
TepotinibがMET exon 14 skipping mutation陽性の非小細胞肺がんに対する承認を取得
リキッドバイオプシーの回数制限緩和
診断がつかないことの喜び
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
肺がんCT検診の比較試験:JECS Study
人工知能による胸部レントゲン読影支援
末梢病変穿刺用キット・・・Periview Flex
IMpower133試験、updated data
EGFR耐性機構としてのRET融合遺伝子出現と、オシメルチニブ+selpercatinib併用療法
RET陽性肺がんの臨床的特徴と治療反応性 シンガポール国立がんセンターの報告から
RET融合遺伝子陽性肺がんに対するselpercatinibの第III相試験:LIBRETTO-431試験の概要
オンコマインDx Target Test マルチ CDxシステム一時供給停止
学会報告0004:術前診断のついていなかった小細胞肺がん手術例のまとめ
あれから20年も、この先10年も
臨床像を信じるか、病理像を信じるか
「Class IIIB」を異なる立場で見てみると
経気管支肺生検の下準備
ドライバー遺伝子変異検査に関する要望書
ドライバー変異林立時代の診断の在り方を真剣に考える
TepotinibがMET exon 14 skipping mutation陽性の非小細胞肺がんに対する承認を取得
リキッドバイオプシーの回数制限緩和
Posted by tak at 09:07│Comments(0)
│検査法