2011年01月27日

生きる目的

別に肺癌診療に限った話でもないですが、「生きる目的」って大事です。
もう診断から丸4年が経過する、進行期の肺腺癌の患者さんがいます。
この4年間に行った薬物療法は7種類。
放射線治療の対象となった脳転移巣の病変は数十箇所を数えます。
治療に伴うつらい思いも様々してこられたはずです。
それでもつらい治療を受け入れて、外来に通ってきてくださいます。

一般に、肺癌治療は薬が変わっていくごとに、効果は限定的になっていきます。
7種類目ともなると、もうどの程度の治療効果が期待できるのか、事前に全く予測が出来ません。
それでも治療効果が出ることを信じて、新しい治療に踏み込まれるその心意気には、頭が下がります。

この患者さんは、3月に初めてのお孫さんの誕生を控えておられます。
初孫をその腕に抱きたい一心で、その「生きる目的」が治療意欲を支えているのでしょう。

来年の今頃に、娘さんも結婚される予定なのだそうです。
だんだんとハードルが上がっていきますが、出来る限りお付き合いしていきたいと思います。


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Posted by tak at 21:59│Comments(0)その他
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