2015年04月06日
クリゾチニブ講演会(おまけ)
最後のパネルディスカッションの際に触れられていた論文について、ちょっとだけ紹介します。
Progression-Free and Overall Survival in ALK-Positive NSCLC Patients Treated with Sequential Crizotinib and Ceritinib. Gainor JF et al., Clin Cancer Res. 2015 Feb 27. [Epub ahead of print]
目的:ALK再構成は非小細胞肺癌における重要な治療標的であり、ALK阻害薬であるクリゾチニブやセリチニブが有効である。クリゾチニブとセリチニブによる逐次併用療法の臨床効果を明らかにするため、両治療が行われたALK陽性患者をレトロスペクティブに検討した。
方法:4ヶ所の施設において、クリゾチニブとそれに引き続くセリチニブの治療が行われた73人のALK陽性非小細胞肺がん患者を対象にした。全生存期間と無増悪生存期間を調べるためにカルテを参照した。
結果:73人のALK陽性患者において、クリゾチニブの無増悪生存期間中央値は8.2ヶ月(95%信頼区間は7.4-10.6ヶ月)だった。クリゾチニブ中止後にセリチニブを開始するまでの間隔の中央値は25日間(範囲は1日-694日)だった。セリチニブの無増悪生存期間中央値は7.8ヶ月(95%信頼区間は6.5-9.1ヶ月)だった。クリゾチニブとセリチニブの間に他の治療を併用していない患者53人で検討しても、セリチニブの無増悪生存期間中央値は同様に7.8ヶ月(95%信頼区間は5.4-9.8ヶ月)だった。クリゾチニブとセリチニブの逐次併用による無増悪生存期間中央値は17.4ヶ月(95%信頼区間は15.5-19.4ヶ月)だった。クリゾチニブ中止後、セリチニブ開始前に再生検を受けた患者は23人で、ALK耐性変異を認めた患者と認めない患者の間に無増悪生存期間の差は認めなかった(それぞれ5.8ヶ月 vs 6.5ヶ月で、p=0.510)。対象患者全体の全生存期間中央値は49.4ヶ月(95%信頼区間は35.5-63.1ヶ月)だった。
結論:セリチニブはALK陽性非小細胞肺癌に対して有意な抗腫瘍活性を有し、直前までクリゾチニブが使用されている状況でも効果を認めた(逐次併用療法による無増悪生存期間中央値は17ヶ月)。セリチニブの効果持続に関して特定のALK耐性変異が関与しているかどうかを明らかにするために、更なる検討が必要である。
細かい内容は忘れてしまいましたが、アレクチニブもセリチニブも、様々な耐性化ALKに対応できるようですね。
Progression-Free and Overall Survival in ALK-Positive NSCLC Patients Treated with Sequential Crizotinib and Ceritinib. Gainor JF et al., Clin Cancer Res. 2015 Feb 27. [Epub ahead of print]
目的:ALK再構成は非小細胞肺癌における重要な治療標的であり、ALK阻害薬であるクリゾチニブやセリチニブが有効である。クリゾチニブとセリチニブによる逐次併用療法の臨床効果を明らかにするため、両治療が行われたALK陽性患者をレトロスペクティブに検討した。
方法:4ヶ所の施設において、クリゾチニブとそれに引き続くセリチニブの治療が行われた73人のALK陽性非小細胞肺がん患者を対象にした。全生存期間と無増悪生存期間を調べるためにカルテを参照した。
結果:73人のALK陽性患者において、クリゾチニブの無増悪生存期間中央値は8.2ヶ月(95%信頼区間は7.4-10.6ヶ月)だった。クリゾチニブ中止後にセリチニブを開始するまでの間隔の中央値は25日間(範囲は1日-694日)だった。セリチニブの無増悪生存期間中央値は7.8ヶ月(95%信頼区間は6.5-9.1ヶ月)だった。クリゾチニブとセリチニブの間に他の治療を併用していない患者53人で検討しても、セリチニブの無増悪生存期間中央値は同様に7.8ヶ月(95%信頼区間は5.4-9.8ヶ月)だった。クリゾチニブとセリチニブの逐次併用による無増悪生存期間中央値は17.4ヶ月(95%信頼区間は15.5-19.4ヶ月)だった。クリゾチニブ中止後、セリチニブ開始前に再生検を受けた患者は23人で、ALK耐性変異を認めた患者と認めない患者の間に無増悪生存期間の差は認めなかった(それぞれ5.8ヶ月 vs 6.5ヶ月で、p=0.510)。対象患者全体の全生存期間中央値は49.4ヶ月(95%信頼区間は35.5-63.1ヶ月)だった。
結論:セリチニブはALK陽性非小細胞肺癌に対して有意な抗腫瘍活性を有し、直前までクリゾチニブが使用されている状況でも効果を認めた(逐次併用療法による無増悪生存期間中央値は17ヶ月)。セリチニブの効果持続に関して特定のALK耐性変異が関与しているかどうかを明らかにするために、更なる検討が必要である。
細かい内容は忘れてしまいましたが、アレクチニブもセリチニブも、様々な耐性化ALKに対応できるようですね。
セルペルカチニブ、上市
CLIP1-LTK融合遺伝子の発見・・・LC-SCRUM Asiaから
セルペルカチニブ、2021年12月13日発売予定
セルペルカチニブと過敏症
血液脳関門とがん薬物療法
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
脳転移を有する患者集団に対しても、免疫チェックポイント阻害薬は有効なのか
HER2エクソン20挿入変異陽性非小細胞肺がんに対するpoziotinib
セルペルカチニブの添付文書
第4世代ALK阻害薬・・・TPX-0131とNVL-655
セルペルカチニブ、製造販売承認
HER2遺伝子変異陽性肺がんに対するtrastuzumab deruxtecan
オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか
EGFR/ALK陽性非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法
中国人患者におけるRET阻害薬(Selpercatinib, Pralsetinib)の有効性
オシメルチニブによる術前療法・・・NeoADAURAの前哨戦
病勢進行後の治療をどう考えるか
RET阻害薬、セルペルカチニブがやってくる
進行が速い進行肺腺がんに遭遇したらどう振る舞うか
ARROW試験のupdated data...RET肺がんとpralsetinib
CLIP1-LTK融合遺伝子の発見・・・LC-SCRUM Asiaから
セルペルカチニブ、2021年12月13日発売予定
セルペルカチニブと過敏症
血液脳関門とがん薬物療法
根治切除術直後の非小細胞肺がん患者に、バイオマーカー解析をするべきか
脳転移を有する患者集団に対しても、免疫チェックポイント阻害薬は有効なのか
HER2エクソン20挿入変異陽性非小細胞肺がんに対するpoziotinib
セルペルカチニブの添付文書
第4世代ALK阻害薬・・・TPX-0131とNVL-655
セルペルカチニブ、製造販売承認
HER2遺伝子変異陽性肺がんに対するtrastuzumab deruxtecan
オシメルチニブ耐性化後は、耐性機序同定や分子標的治療は意味がないのか
EGFR/ALK陽性非小細胞肺がんに対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ併用療法
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病勢進行後の治療をどう考えるか
RET阻害薬、セルペルカチニブがやってくる
進行が速い進行肺腺がんに遭遇したらどう振る舞うか
ARROW試験のupdated data...RET肺がんとpralsetinib
Posted by tak at 21:20│Comments(0)
│分子標的薬・抗体医薬