2020年07月26日
レイ・ダリオが経験したセカンド・オピニオン
ものの考え方が偏らないようにと思って、週末はできるだけ一般書を読むようにしている。
今読んでいるのは、レイ・ダリオの「PRINCIPLES」という書籍。
金融の会社を長く経営してきた方のようだが、人生や仕事においてよって立つ原理・原則をまとめたのだそうだ。
全社員、考え方や成功、失敗を徹底的にオープンにし、議論するという企業風土でずっとやってきたらしい。
そんな彼が体験したセカンド・オピニオンの逸話。
「最悪に備え、最善に期待する」ということと、セカンド・オピニオンでありがちな医師の心理がよく描かれているので、引用する。
信頼性の高い人のさまざまな角度から見た意見を聞くアプローチは人生に大きな影響を与える。
私にとっては生死を分かつ違いをもたらした。
2013年06月、ジョンズ・ホプキンス病院で私は定期人間ドックを受けた。
そこで私は前がん症状のバレット食道高度異形成があるといわれた。
異形成はがんの初期段階で、食道がんに発展する確率は比較的高い。
年間15%のケースだという。
食道がんは死に至るものだ。
だから治療をしないでいれば、3ねんから5年でがんにかかり死ぬだろう。
このような場合には食道を切除するのが通常だが、私の場合何か特別な状態があって、それができないということだった。
医者は様子見を勧めた。
その後の何週間で、私は死に備えた計画を立てつつ、生きるために戦った。
この診断を受けて、大切な人たちが私なしでもやっていけるようにし、残りの時間で彼らと人生を楽しむ時間が取れることをラッキーだと思った。
生まれたばかりの初孫と触れ合う時間があるだろう。
だが、あって当たり前と思うほどの時間はない。
だがここまで読んでお察しの通り、私は、たとえ専門家から最善だと言われても鵜呑みにせず、信頼性のある人から多面的な意見を聞きたいと思った。
そこで私の家庭医であるグレーザー先生に頼んで、この病気の領域に詳しい4人の専門家にアポを取った。
最初に訪問したのは、ある大手のがん専門病院の胸部手術の部長だった。
彼女は私の状況は進行が速いといい、最初の医者が言ったのとは異なり治療できる手術があるといった。
食道と胃を摘出し、少し残した食道と腸をつなげるやり方だ。
手術で死亡する確率は10%、寝たきりになる確率は70%だと言った。
だが生存の確率が高いので、彼女の提案は真剣に検討する必要があった。
私は彼女に、最初に診断して様子見を勧めたジョンズ・ホプキンス病院の医者と話をしてほしいと思った。
そこで、その場ですぐ、もう1人の医者に電話をして相手の見方をどう思うか尋ねた。
これは瞠目の経験だった。
2人の医者は私が個別に会ったときには全く異なる意見を言っていたのに、2人が電話で話すと、意見の違いを少なくして相手を持ち上げるようにした。
最善の回答を出そうとせず、プロとしての礼儀を前面に押し出したのだ。
それでも2人の見方が違うことは明らかで、彼らの話を聞いて私の理解は深まった。
翌日、私は第三の医者に会った。
世界的に襲名な専門家、研究科で別の著名な病院にいた。
彼は、3ヶ月おきに内視鏡検査をすれば問題がないといった。
彼は、これは体内に出た皮膚がんのようなもので、観察を続け、新たに成長して血流に転移する前に切除してしまえば、大丈夫だという。
彼によれば、このような観察措置をした患者の結果は食道を切除した場合と変わりがないという。
平たく言えば、患者はがんで死んでいないということだった。
ときどき検査を受けて、ちょっと切除すること以外は正常な生活を送れるというのだ。
まとめると、48時間の間に、死の宣告から開腹手術、そして最後に多少不便になるが簡単な、異常があるかどうかを見て悪くなる前に切除する方法へたどり着いた。
この医者は間違っているのか?
グレーザー先生と一緒にあと2人の世界的に有名な専門家に会った。
2人は内視鏡検査をしてもいいだろうというので、私はそれに従うことにした。
彼らは私の食道から組織を切り取り、病理検査のためにラボに送った。
ショックだったとしか言えない。
組織を分析したところ、高度異形成は全くなかったのだ!
専門家ですら過ちを犯す。
徹底的にオープンになり、立派な人の意見を多方面から聞いて把握することは割に合うということだ。
他の意見を聞こうとしなかったら、私の人生は全く違ったものになっていただろう。
今読んでいるのは、レイ・ダリオの「PRINCIPLES」という書籍。
金融の会社を長く経営してきた方のようだが、人生や仕事においてよって立つ原理・原則をまとめたのだそうだ。
全社員、考え方や成功、失敗を徹底的にオープンにし、議論するという企業風土でずっとやってきたらしい。
そんな彼が体験したセカンド・オピニオンの逸話。
「最悪に備え、最善に期待する」ということと、セカンド・オピニオンでありがちな医師の心理がよく描かれているので、引用する。
信頼性の高い人のさまざまな角度から見た意見を聞くアプローチは人生に大きな影響を与える。
私にとっては生死を分かつ違いをもたらした。
2013年06月、ジョンズ・ホプキンス病院で私は定期人間ドックを受けた。
そこで私は前がん症状のバレット食道高度異形成があるといわれた。
異形成はがんの初期段階で、食道がんに発展する確率は比較的高い。
年間15%のケースだという。
食道がんは死に至るものだ。
だから治療をしないでいれば、3ねんから5年でがんにかかり死ぬだろう。
このような場合には食道を切除するのが通常だが、私の場合何か特別な状態があって、それができないということだった。
医者は様子見を勧めた。
その後の何週間で、私は死に備えた計画を立てつつ、生きるために戦った。
この診断を受けて、大切な人たちが私なしでもやっていけるようにし、残りの時間で彼らと人生を楽しむ時間が取れることをラッキーだと思った。
生まれたばかりの初孫と触れ合う時間があるだろう。
だが、あって当たり前と思うほどの時間はない。
だがここまで読んでお察しの通り、私は、たとえ専門家から最善だと言われても鵜呑みにせず、信頼性のある人から多面的な意見を聞きたいと思った。
そこで私の家庭医であるグレーザー先生に頼んで、この病気の領域に詳しい4人の専門家にアポを取った。
最初に訪問したのは、ある大手のがん専門病院の胸部手術の部長だった。
彼女は私の状況は進行が速いといい、最初の医者が言ったのとは異なり治療できる手術があるといった。
食道と胃を摘出し、少し残した食道と腸をつなげるやり方だ。
手術で死亡する確率は10%、寝たきりになる確率は70%だと言った。
だが生存の確率が高いので、彼女の提案は真剣に検討する必要があった。
私は彼女に、最初に診断して様子見を勧めたジョンズ・ホプキンス病院の医者と話をしてほしいと思った。
そこで、その場ですぐ、もう1人の医者に電話をして相手の見方をどう思うか尋ねた。
これは瞠目の経験だった。
2人の医者は私が個別に会ったときには全く異なる意見を言っていたのに、2人が電話で話すと、意見の違いを少なくして相手を持ち上げるようにした。
最善の回答を出そうとせず、プロとしての礼儀を前面に押し出したのだ。
それでも2人の見方が違うことは明らかで、彼らの話を聞いて私の理解は深まった。
翌日、私は第三の医者に会った。
世界的に襲名な専門家、研究科で別の著名な病院にいた。
彼は、3ヶ月おきに内視鏡検査をすれば問題がないといった。
彼は、これは体内に出た皮膚がんのようなもので、観察を続け、新たに成長して血流に転移する前に切除してしまえば、大丈夫だという。
彼によれば、このような観察措置をした患者の結果は食道を切除した場合と変わりがないという。
平たく言えば、患者はがんで死んでいないということだった。
ときどき検査を受けて、ちょっと切除すること以外は正常な生活を送れるというのだ。
まとめると、48時間の間に、死の宣告から開腹手術、そして最後に多少不便になるが簡単な、異常があるかどうかを見て悪くなる前に切除する方法へたどり着いた。
この医者は間違っているのか?
グレーザー先生と一緒にあと2人の世界的に有名な専門家に会った。
2人は内視鏡検査をしてもいいだろうというので、私はそれに従うことにした。
彼らは私の食道から組織を切り取り、病理検査のためにラボに送った。
ショックだったとしか言えない。
組織を分析したところ、高度異形成は全くなかったのだ!
専門家ですら過ちを犯す。
徹底的にオープンになり、立派な人の意見を多方面から聞いて把握することは割に合うということだ。
他の意見を聞こうとしなかったら、私の人生は全く違ったものになっていただろう。