2011年01月28日

EBM

私が医学生であった1990年台後半から「EBM」という言葉が流行り始めました。
Ebidence Besed Medicineの略で、科学的根拠に基づいた医療、というくらいの意味です。
癌診療の領域では、とりわけこの言葉は重いように思います。

我々が患者さんにお勧めする化学療法は、ほぼ例外なく過去の臨床試験結果に基づいたEBMです。
EBMでなければ、根拠に乏しいという点で民間療法とあまり違いがありません。

ですが、EBM一辺倒になってしまうと、弊害もあります。
臨床試験で裏打ちされた治療がなくなったら、「もうできることはありませんから」といって治療を放棄する医師が出てきます。

EBMは確かに大切です。
でも、Experience Based MedicineやEmotion Based Medicineも、臨床医にとっては大切です。
  

Posted by tak at 22:15Comments(0)個別化医療