2011年01月17日

SPIKESのS

「SPIKES」の最後の「S」のお話です。
一連の面談が終了し、最後の締めくくりです。
「Strategy」の「S」、または「Summary」の「S」とされています。
悪い知らせを伝える際の面談は、長い時間を要することがほとんどです。
患者さん、家族はおろか、医療従事者も面談の内容を忘れてしまいがちです。
ですから、面談は内容を筆記しながら進め、最後にもう一度、その説明文書を見つつ要点をまとめることが勧められます。
そして、今後の治療戦略を考えることになります。
これまでの経過、患者さんの病状、患者さんと家族のニーズを踏まえ、医療従事者も一緒になって今後の方針を考えます。

ときには、治療方針の検討まで話が至らないかもしれません。
その場合には、次の面談あるいは診療の予定を組んで、面談を終了します。
そういった意味では、次回の診療に向けての「Setting」としての「S」でもあると思います。

先日、国立がん研究センター修行時代、SPIKESについて教えてくださった私の恩師が大分へ講演に来てくださいました。
国立がん研究センターで「セカンドオピニオン外来」を担当する医療従事者には、SPIKESの内容をはじめとしたコミュニケーションスキルの講習を義務付けることにしたとおっしゃっていました。
私も、微力ながらコミュニケーションスキルの普及に貢献したいと思っています。  

Posted by tak at 12:54Comments(0)医療面接