2021年01月11日

学会報告0005:脳転移再発、定位放射線照射後の長期生存

 小細胞肺がんであろうが、非小細胞肺がんであろうが、脳転移のみの再燃、再発というのはなかなか悩ましい。
 ドライバー遺伝子変異を伴っており、分子標的薬が使えるならばまだしも。
 放射線治療を終えた後の治療方針となると、薬物療法が脳転移に効きにくいのはある程度分かっているので、次の治療を計画しがたい。
 とはいえ、経過観察だけでも、結構長生きする人はいる。
 近々、最近脳梗塞を起こしたそんな肺がん患者が、リハビリ目的で当院に転院してくる予定。
 前回退院からゆうに5年以上経過しているが、その間に脳転移再発を経験し、定位脳照射を受け、後期高齢者ながら独居で頑張っていたようだ。

 脳転移が見つかったとき、放射線治療よりも薬物療法を優先する考え方もあるが、私はやはり確実な効果が期待できる定位放射線治療を優先したい。
 こういう患者に遭遇すると、どうしてもそんな気持ちになる。


<学会報告0005>
 出典:2020年 日本肺癌学会支部会 / 日本呼吸器内視鏡学会支部会
・60代男性、喫煙者
・限局型肺小細胞癌と確定診断
・シスプラチン+エトポシド併用療法+根治的胸部放射線照射
・完全奏効が得られた
・引き続き、予防的全脳照射を行った
・初回治療から2年後、左小脳半球に単発の脳転移を来し再燃
・カルボプラチン+エトポシド併用療法を行うも脳転移巣は縮小せず
・手術は本人が希望せず
・定位脳照射施行
・定位照射後5年以上無増悪生存し、認知機能障害を認めず  

Posted by tak at 23:23Comments(3)放射線治療