2017年04月22日
血管新生阻害薬と免疫チェックポイント阻害薬
第57回日本呼吸器学会総会 2017年4月22日
シンポジウム5 肺癌の分子標的治療の最新情報-ガイドラインを見据えて
S5-3:血管新生阻害薬は肺がん治療の名脇役
・ECOG4599 Sandler NEJM 2006
1st line CBDCA+PTX+BV vs CBDCA+PTX pIII
BV併用療法が全生存期間を延長した
・REVELstudy Garon Lancet 2014
2nd line DOC+Ramcirumab vs DOC pIII
Ramcirumab併用療法が全生存期間を延長した
全てのsubgroup解析でRamcirumab併用群が優位だった
・LUME-Lung 1 Nintedanib, Reck Lancet Oncol 2014
主要評価項目の全生存期間を延長することができなかった
日本・米国では承認されず
subgroup解析では、腺癌の患者では生存期間延長が確認された
日本におけるbridging phase II studyでは肝障害の頻度が高かった
人種差と、体表面積が関連?
・抗VEGF, VEGFR療法は・・・
腫瘍血管を正常化
抗腫瘍薬の組織移行を改善する
組織間圧を下げる→胸水コントロールに有利?
・EGFR-TKI+Bevacizumab
Beta-Lung study: Herbst Lancet 2011, NSCLC all comers
JO25567 study: Seto Lancet Oncol 2014, sEGFRm(+)のみに限定
一般のEGFR-TKI治療に比べて、初期耐性が起こりにくく、治療効果が長期に続く
BELIEF study: Rosell Lancet Respir Med 2017
現在進行中のstudy
NEJ-026 study: Erlotinib+Bevacizumab pIII
RELAY study: Erlotinib+Ramcirumab
J-SONIC study: CBDCA+nab-PTX+Nintedanib→IPF合併肺癌が対象
・免疫チェックポイント阻害薬と抗VEGF治療
Pembrolizumab+Bevacizumab
Nivolumab+Bevacizumab
Atezorizumab+CBDCA+PTX+Bevacizumab(四剤併用!!)
・抗VEGF治療は、効果も副作用も併用薬のprofileを増強する
EGFR-TKI+Bevacizumabで対応が必要なのは高血圧と発疹くらい
S5-3:免疫チェックポイント阻害薬の位置づけと今後の方向性
・1st line KEYNOTE 024 study
無増悪生存期間、全生存期間を優位に延長
cross overの割合は?
初回治療がplatinum doubletだった人は151人
PDになったのが106人
Pembrolizumabにcross overされた人は66人
→PDとなった人のうち62%がcross over
初回治療がPembrolizumabだった人は154人
PDになったのが79人
platinum doubletにcross overされた人は33人
→PDとなった人のうち42%がcross over
・KEYNOTE-024で生存期間が延びたのは
「PD-L1発現50%以上で、1st line Pembrolizumab→2nd line platinum doublet」の患者群と捉えなければならない
→後治療でplatinum doubletを行うことが前提となっている
・2nd line
CheckMate-017 study: Sq, PD-L1発現状態は不問
CheckMate-057 study: non-Sq, PD-L1発現状態は不問
KEYNOTE-010 study: PD-L1発現(+)に限定、組織型は不問

・組織型ごとに、PD-L1発現状態に則してハザード比を細分化すると・・・
・腺癌では、PD-L1低発現腫瘍に対するICIsは効果がいまひとつ

cut-offが1%でいいのかどうかは疑問が残る
しかし、PD-L1発現陰性の患者でも長期生存例がある
・扁平上皮癌では、治療効果とPD-L1発現はあまり相関しない

シンポジウム5 肺癌の分子標的治療の最新情報-ガイドラインを見据えて
S5-3:血管新生阻害薬は肺がん治療の名脇役
・ECOG4599 Sandler NEJM 2006
1st line CBDCA+PTX+BV vs CBDCA+PTX pIII
BV併用療法が全生存期間を延長した
・REVELstudy Garon Lancet 2014
2nd line DOC+Ramcirumab vs DOC pIII
Ramcirumab併用療法が全生存期間を延長した
全てのsubgroup解析でRamcirumab併用群が優位だった
・LUME-Lung 1 Nintedanib, Reck Lancet Oncol 2014
主要評価項目の全生存期間を延長することができなかった
日本・米国では承認されず
subgroup解析では、腺癌の患者では生存期間延長が確認された
日本におけるbridging phase II studyでは肝障害の頻度が高かった
人種差と、体表面積が関連?
・抗VEGF, VEGFR療法は・・・
腫瘍血管を正常化
抗腫瘍薬の組織移行を改善する
組織間圧を下げる→胸水コントロールに有利?
・EGFR-TKI+Bevacizumab
Beta-Lung study: Herbst Lancet 2011, NSCLC all comers
JO25567 study: Seto Lancet Oncol 2014, sEGFRm(+)のみに限定
一般のEGFR-TKI治療に比べて、初期耐性が起こりにくく、治療効果が長期に続く
BELIEF study: Rosell Lancet Respir Med 2017
現在進行中のstudy
NEJ-026 study: Erlotinib+Bevacizumab pIII
RELAY study: Erlotinib+Ramcirumab
J-SONIC study: CBDCA+nab-PTX+Nintedanib→IPF合併肺癌が対象
・免疫チェックポイント阻害薬と抗VEGF治療
Pembrolizumab+Bevacizumab
Nivolumab+Bevacizumab
Atezorizumab+CBDCA+PTX+Bevacizumab(四剤併用!!)
・抗VEGF治療は、効果も副作用も併用薬のprofileを増強する
EGFR-TKI+Bevacizumabで対応が必要なのは高血圧と発疹くらい
S5-3:免疫チェックポイント阻害薬の位置づけと今後の方向性
・1st line KEYNOTE 024 study
無増悪生存期間、全生存期間を優位に延長
cross overの割合は?
初回治療がplatinum doubletだった人は151人
PDになったのが106人
Pembrolizumabにcross overされた人は66人
→PDとなった人のうち62%がcross over
初回治療がPembrolizumabだった人は154人
PDになったのが79人
platinum doubletにcross overされた人は33人
→PDとなった人のうち42%がcross over
・KEYNOTE-024で生存期間が延びたのは
「PD-L1発現50%以上で、1st line Pembrolizumab→2nd line platinum doublet」の患者群と捉えなければならない
→後治療でplatinum doubletを行うことが前提となっている
・2nd line
CheckMate-017 study: Sq, PD-L1発現状態は不問
CheckMate-057 study: non-Sq, PD-L1発現状態は不問
KEYNOTE-010 study: PD-L1発現(+)に限定、組織型は不問

・組織型ごとに、PD-L1発現状態に則してハザード比を細分化すると・・・
・腺癌では、PD-L1低発現腫瘍に対するICIsは効果がいまひとつ

cut-offが1%でいいのかどうかは疑問が残る
しかし、PD-L1発現陰性の患者でも長期生存例がある
・扁平上皮癌では、治療効果とPD-L1発現はあまり相関しない

2017年04月22日
免疫チェックポイント阻害薬と肺合併症
第57回日本呼吸器学会総会 2017年4月21日
シンポジウム2
免疫チェックポイント阻害薬と肺合併症
<免疫チェックポイント阻害薬の作用機序と治療戦略>
・免疫療法の開発は、非特異的免疫療法から特異的免疫療法へ
・生態にとって有害となる免疫応答を抑制するのが、本来の「免疫チェックポイント」の役割
・腫瘍細胞に発現している免疫チェックポイント関連タンパク
CD86、CD80、PD-L1、PD-L2
・抗原提示細胞やT細胞に発現している免疫チェックポイント関連タンパク
CTLA-4、PD-L1、PD-1、CD80
・priming phaseは抗原提示細胞とT細胞のクロストーク、effector phaseはT細胞と腫瘍細胞のクロストーク
・Chen et al., Nature 321-330, 2017
免疫チェックポイント阻害薬併用療法の臨床試験一覧
・Cancer Immunity cycle
・T細胞上のPD-1は腫瘍細胞上のPD-L1、PD-L2の双方と結合する
・腫瘍細胞上のPD-L1はT細胞上のPD-1とCD80の双方と結合する
・実験上、抗PD-L1抗体だけでは腫瘍制御効果は限定的だが、抗PD-L1抗体と抗PD-L2抗体を併用したところ、腫瘍発育が良好に制御された
<免疫チェックポイント阻害薬の臨床成績>
・全がん協HPで発表された2002年から2007年に診断された肺癌患者の5年生存割合
腺癌では、III期:25.5%、IV期:6.7%
扁平上皮癌では、III期:19.6%、IV期:2.9%
・2nd / 3rd lineの免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験
CheckMate 017試験:Nivolumab for 扁平上皮癌
CheckMate 057試験:Nivolumab for 非扁平・非小細胞癌
KEYNOTE-010試験:Pembrolizumab
OAK試験:Atezolizumab
・Lee et al., J Thorac Oncol 403-407, 2017
EGFR遺伝子変異陽性患者の治療成績はいまひとつ
・1st lineにおける免疫チェックポイント阻害薬
KEYNOTE-024試験:Pembrolizumab for PD-L1>50%→生命予後延長
CheckMate-026試験:Nivolumab for PD-L1>5%→有意差なし
・現在進行中の1st lineにおける免疫チェックポイント阻害薬臨床試験
KEYNOTE-042:Pembrolizumab
Impower 110:Atezolizumab
Impower 111:Atezolizumab
etc.
・Nivolumab phase I, Brahmer et al., AACR 2017
1年生存割合:42%
2年生存割合:24%
3年生存割合:18%
5年生存割合:16%
・Tumor Mutation Burden(TMB)と免疫チェックポイント阻害薬
AACR 2017, CheckMate-026試験におけるTMBと臨床効果
TMBを0-100, 1000-242, 242以上の群に区分
high TMB & PD-L1>50%の患者群では予後良好
high TMB & PD-L1<50%の患者群>low TMB & PD-L1>50%の患者群
low TMBだとPD-L1の発現状態に関わらず予後不良
<ニボルマブ市販後調査における肺障害に関する中間報告>
・www.BioLegend.com, cell signalingとimmunologic network
・EGFR-TKIとILD
Genma et al., Cancer Sci 2014, ErlotinibとILD
Kudoh et al., AJRCCP 2008, GefitinibとILD
・各薬剤で発生するILDの特徴
EGFR-TKI:
acute onset, AIP / DAD pattern
genetic factor(+)
mTOR inhibitor:
gradually onset, various ILD pattern
hypoimmune status
ICIs:肺への自己免疫疾患惹起
early to intermediate onset
hyper immune status
drug "mediated" ILD
・Kato et al., Lung Cancer, 111-118, 2017
Japanese Phase II Nivolumab studyとILD
・Jp J Clin Oncol 270-272, 2016
Nivolumab induced Organizing Pneumonia in melanoma patient
・PD-1抗体によるILDは使用例全体の5%強に発生する
1-1.5mg/kgとやや多めのPSLで治療にあたる
・Nivolumab全例調査継続中、1年後には最終的な結果発表予定
・ILDは解析対象3635人中、300人程度に起こるだろうと見積もっている
・2016年11月までで10606人の非小細胞肺がん患者がNivolumabを使用
・2017年4月までで約15000人が非小細胞肺がん患者がNivolumabを使用
・Nivolumab使用後、ILDを発症するための危険因子は
75歳以上、治療開始前のCTでILDの所見あり、2次治療
・NivolumabによるILD発症後、死亡するための危険因子は
男性、治療開始前のCRPが5以上、発症時の画像パターンがAIP like
・ILD発症のための危険因子と発症後に死亡するための危険因子が異なる
・関連内容の海外発表予定
ATS 2017 #6825
ASCO 2017 #9077, #9078
<免疫チェックポイント阻害薬による肺障害の画像的特徴>
・悪性黒色腫、非小細胞肺がん両方で、2016年11月までにILDが報告された195人をスクリーニング
160人をILDと認定
発症前のCT所見と比較可能だった155人を解析
・従来の抗がん薬、分子標的薬でも認められるようなパターンを従来型と分類
101人が分類され、22人が死亡
・従来は見られなかった、以下のような特徴を持つものを非従来型と分類
54人が分類され、7人が死亡
1 腫瘍周囲にすりガラス陰影が出現する=peritumoral infiltration(PTI)
24人が分類され、2人が死亡
2 既存の放射線性線維化病巣の周囲に陰影が出現する
8人が分類され、2人が死亡
3 患側(の腫瘍病巣周辺)優位に陰影が出現する
4人が分類され、1人が死亡した
4 既存肺感染症の増悪
βDグルカンが上昇していたことからニューモシスチス肺炎の増悪と判断された悪性黒色腫の患者→PCRや鏡検で確認されたわけではない
緑膿菌感染の増悪と判断された患者
4人が分類され、2人が死亡した
・画像パターンからの分類(155人)

シンポジウム2
免疫チェックポイント阻害薬と肺合併症
<免疫チェックポイント阻害薬の作用機序と治療戦略>
・免疫療法の開発は、非特異的免疫療法から特異的免疫療法へ
・生態にとって有害となる免疫応答を抑制するのが、本来の「免疫チェックポイント」の役割
・腫瘍細胞に発現している免疫チェックポイント関連タンパク
CD86、CD80、PD-L1、PD-L2
・抗原提示細胞やT細胞に発現している免疫チェックポイント関連タンパク
CTLA-4、PD-L1、PD-1、CD80
・priming phaseは抗原提示細胞とT細胞のクロストーク、effector phaseはT細胞と腫瘍細胞のクロストーク
・Chen et al., Nature 321-330, 2017
免疫チェックポイント阻害薬併用療法の臨床試験一覧
・Cancer Immunity cycle
・T細胞上のPD-1は腫瘍細胞上のPD-L1、PD-L2の双方と結合する
・腫瘍細胞上のPD-L1はT細胞上のPD-1とCD80の双方と結合する
・実験上、抗PD-L1抗体だけでは腫瘍制御効果は限定的だが、抗PD-L1抗体と抗PD-L2抗体を併用したところ、腫瘍発育が良好に制御された
<免疫チェックポイント阻害薬の臨床成績>
・全がん協HPで発表された2002年から2007年に診断された肺癌患者の5年生存割合
腺癌では、III期:25.5%、IV期:6.7%
扁平上皮癌では、III期:19.6%、IV期:2.9%
・2nd / 3rd lineの免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験
CheckMate 017試験:Nivolumab for 扁平上皮癌
CheckMate 057試験:Nivolumab for 非扁平・非小細胞癌
KEYNOTE-010試験:Pembrolizumab
OAK試験:Atezolizumab
・Lee et al., J Thorac Oncol 403-407, 2017
EGFR遺伝子変異陽性患者の治療成績はいまひとつ
・1st lineにおける免疫チェックポイント阻害薬
KEYNOTE-024試験:Pembrolizumab for PD-L1>50%→生命予後延長
CheckMate-026試験:Nivolumab for PD-L1>5%→有意差なし
・現在進行中の1st lineにおける免疫チェックポイント阻害薬臨床試験
KEYNOTE-042:Pembrolizumab
Impower 110:Atezolizumab
Impower 111:Atezolizumab
etc.
・Nivolumab phase I, Brahmer et al., AACR 2017
1年生存割合:42%
2年生存割合:24%
3年生存割合:18%
5年生存割合:16%
・Tumor Mutation Burden(TMB)と免疫チェックポイント阻害薬
AACR 2017, CheckMate-026試験におけるTMBと臨床効果
TMBを0-100, 1000-242, 242以上の群に区分
high TMB & PD-L1>50%の患者群では予後良好
high TMB & PD-L1<50%の患者群>low TMB & PD-L1>50%の患者群
low TMBだとPD-L1の発現状態に関わらず予後不良
<ニボルマブ市販後調査における肺障害に関する中間報告>
・www.BioLegend.com, cell signalingとimmunologic network
・EGFR-TKIとILD
Genma et al., Cancer Sci 2014, ErlotinibとILD
Kudoh et al., AJRCCP 2008, GefitinibとILD
・各薬剤で発生するILDの特徴
EGFR-TKI:
acute onset, AIP / DAD pattern
genetic factor(+)
mTOR inhibitor:
gradually onset, various ILD pattern
hypoimmune status
ICIs:肺への自己免疫疾患惹起
early to intermediate onset
hyper immune status
drug "mediated" ILD
・Kato et al., Lung Cancer, 111-118, 2017
Japanese Phase II Nivolumab studyとILD
・Jp J Clin Oncol 270-272, 2016
Nivolumab induced Organizing Pneumonia in melanoma patient
・PD-1抗体によるILDは使用例全体の5%強に発生する
1-1.5mg/kgとやや多めのPSLで治療にあたる
・Nivolumab全例調査継続中、1年後には最終的な結果発表予定
・ILDは解析対象3635人中、300人程度に起こるだろうと見積もっている
・2016年11月までで10606人の非小細胞肺がん患者がNivolumabを使用
・2017年4月までで約15000人が非小細胞肺がん患者がNivolumabを使用
・Nivolumab使用後、ILDを発症するための危険因子は
75歳以上、治療開始前のCTでILDの所見あり、2次治療
・NivolumabによるILD発症後、死亡するための危険因子は
男性、治療開始前のCRPが5以上、発症時の画像パターンがAIP like
・ILD発症のための危険因子と発症後に死亡するための危険因子が異なる
・関連内容の海外発表予定
ATS 2017 #6825
ASCO 2017 #9077, #9078
<免疫チェックポイント阻害薬による肺障害の画像的特徴>
・悪性黒色腫、非小細胞肺がん両方で、2016年11月までにILDが報告された195人をスクリーニング
160人をILDと認定
発症前のCT所見と比較可能だった155人を解析
・従来の抗がん薬、分子標的薬でも認められるようなパターンを従来型と分類
101人が分類され、22人が死亡
・従来は見られなかった、以下のような特徴を持つものを非従来型と分類
54人が分類され、7人が死亡
1 腫瘍周囲にすりガラス陰影が出現する=peritumoral infiltration(PTI)
24人が分類され、2人が死亡
2 既存の放射線性線維化病巣の周囲に陰影が出現する
8人が分類され、2人が死亡
3 患側(の腫瘍病巣周辺)優位に陰影が出現する
4人が分類され、1人が死亡した
4 既存肺感染症の増悪
βDグルカンが上昇していたことからニューモシスチス肺炎の増悪と判断された悪性黒色腫の患者→PCRや鏡検で確認されたわけではない
緑膿菌感染の増悪と判断された患者
4人が分類され、2人が死亡した
・画像パターンからの分類(155人)
