連休中にふと思い立って、データベースの整理を始めた。
国立がん研究センターが公表した以下のプレスリリースに触発された。
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/0427_3/index.html
2008年度の内容をまとめてみた。
統計解析にはEZRを用いた。
1)患者背景
この時期に確定診断した患者の総数は38人。
年齢中央値は72歳、最高齢は88歳。
50代後半以降の患者ばかりで、若い患者はいなかった。
男性が24人で、全体の63%を占めている。
組織型別にみると、半数強が腺がんで、扁平上皮がんと小細胞がんが1/6ずつとそれほど多くない。
その他は大細胞神経内分泌がん1人、多型がん1人、大細胞がん1人、同定不能3人だった。
臨床病期別にみると、IA期とIV期に二極化していた。
2)全体の生命予後
38人全員を対象とした生存曲線はこの通り。
全ての年齢層、組織型、臨床病期の患者を含むので、乱暴な解析と言われればそれまでだが、患者数が少ないから仕方がない。
5年生存割合は37%、95%信頼区間は22%-52%。
10年生存割合は26%、95%信頼区間は13%-41%。
生存期間中央値は2.0年。
3)性別ごとの生命予後
こういう解析はあまりされないが、見事に有意差がついた。
背景として、女性はほぼ全員が腺がんで小細胞がんは1人しかおらず、その分男性に小細胞がんと扁平上皮がんが多い(p=0.012)ということが関わっていそうだ。
4)組織型ごとの生命予後
どうみても腺がんがよい(p