2008年度のデータベースから

tak

2021年05月04日 18:57

 連休中にふと思い立って、データベースの整理を始めた。
 国立がん研究センターが公表した以下のプレスリリースに触発された。
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/0427_3/index.html
 2008年度の内容をまとめてみた。
 統計解析にはEZRを用いた。

1)患者背景
 
 この時期に確定診断した患者の総数は38人。
 年齢中央値は72歳、最高齢は88歳。

 50代後半以降の患者ばかりで、若い患者はいなかった。
 男性が24人で、全体の63%を占めている。
 組織型別にみると、半数強が腺がんで、扁平上皮がんと小細胞がんが1/6ずつとそれほど多くない。
 その他は大細胞神経内分泌がん1人、多型がん1人、大細胞がん1人、同定不能3人だった。
 臨床病期別にみると、IA期とIV期に二極化していた。


2)全体の生命予後
 38人全員を対象とした生存曲線はこの通り。
 全ての年齢層、組織型、臨床病期の患者を含むので、乱暴な解析と言われればそれまでだが、患者数が少ないから仕方がない。

 5年生存割合は37%、95%信頼区間は22%-52%。
 10年生存割合は26%、95%信頼区間は13%-41%。
 生存期間中央値は2.0年。
 
3)性別ごとの生命予後
 こういう解析はあまりされないが、見事に有意差がついた。


 背景として、女性はほぼ全員が腺がんで小細胞がんは1人しかおらず、その分男性に小細胞がんと扁平上皮がんが多い(p=0.012)ということが関わっていそうだ。

4)組織型ごとの生命予後
 どうみても腺がんがよい(p

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