新型コロナワクチン感染症が治った人は、ワクチンを接種すべきか

tak

2021年09月12日 06:00

 私も、ささやかながら新型コロナウイルス感染症の患者を診療している。
 やれECMOだの、やれ人工呼吸だのといった高度医療は私の今の環境ではできないけれど、重症化の危険因子を持つ患者さんを軽症から中等症の段階で治療している。

 幸いなことに、最近担当した患者さんは、みなさんお元気になって帰っていく。
 そして、みなさん一様に気にされるのは、
 「新型コロナウイルス感染症にかかったあとは、ワクチンってどうすればいいんですか?」
ということだ。

 厚生労働省が新型コロナワクチンQ&Aのホームページを運営している。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/
 この中に、「新型コロナウイルスに感染したことのある人は、ワクチンを接種することはできますか。」という項がある。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0028.html

 要点だけ抜き出すと、
・新型コロナウイルスに感染したことのある人も、ワクチン接種できる
・自然感染よりも、ワクチン接種の方が血中抗体化が高くなる
・抗体カクテル(ロナプリーブ)療法を受けた方は、治療を受けてから90日間以上空けてからワクチン接種する
といったところだろうか。

 新型コロナワクチンの予診票には、「最近1ヶ月間に熱が出たり、病気にかかったりしましたか?」という質問がある。
 基本的に、熱が出たり、病気にかかったりしたら、回復してから1ヶ月は空けましょうという考え方に基づいていると言っていい。

 実際のところ、管轄の保健所や県庁に問い合わせたところ、抗体カクテル療法をしなかった方では新型コロナウイルス感染症の治療終了から30日間経過してから、抗体カクテル療法をした方ではその日から90日経過してからはワクチン接種可能、という回答だった。

 ロナプリーブ投与をしたかしなかったかで、ワクチン接種可能となるまでの期間に60日間の開きができる。
 新型コロナウイルス感染症の治療に携わる医療関係者は、知っておくべきだろう。
 
 

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