2019年に肺がんと診断された方々

tak

2020年02月03日 23:34

 ルーチンワークが少し早めに終わったので、データベースを用いて簡単な実態調査をしてみた。
 少し手間はかかるが、足元の実地診療のトレンドを掴むことができる。
 

1) 呼吸器内科で気管支鏡を行い、最終的に肺がんと診断された患者の年次推移(2014年-2019年)

 この期間の患者総数は489人。
 年間80人強といったところ。

2) 2019年に肺がんと診断された患者の年齢分布

 簡単に、75歳未満か、75歳以上かの2群に分けてみた。
 75歳未満の方が多かった。
 その割に、シスプラチンが使われる機会が減った気がする。

3) 2019年に肺がんと診断された患者の性別分布

 男性は女性の2倍強を占める。

4) 2019年に肺がんと診断された患者の組織型分布

 患者に肺がんの組織型について説明するとき、それぞれの発生頻度は、「腺がんが50%、扁平上皮がんが30%強、小細胞がんが15%弱」と話しているが、これを見ると腺がんが58%、扁平上皮がんが15%、小細胞がんが20%と、扁平上皮がんと小細胞がんの立場が逆転している。
 確かに、このところ小細胞がんと診断される患者が多かったように思う。

5) 2019年に肺がんと診断された患者の病期分布

 III期とIV期で全体の70%を占める。
 すなわち、肺がん患者の70%は内科治療の対象であると言える。

6) 2019年にドライバー遺伝子変異陽性と診断された肺腺がん患者のうちわけ

 腺がんにおいて、EGFR遺伝子変異陽性割合24%、ALK融合遺伝子陽性割合は2%、ROS1融合遺伝子陽性割合も2%だった。
 想定よりも少ない気がする。





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