唐代の名医、孫思邈はその著書の中で、
「上等の医者は国を治す能力があり、中等の医者は人を治すことができ、下等の医者は病気しか治せない(上医医国、中医医人、下医医病)」
と書き残したらしい。
さて、果たして現代医療はどこに向かっているのか。
以下の記事を読んで、びっくりたまげてしまった。
免疫チェックポイント阻害薬や慢性C型肝炎治療薬でも十分高額だが、今回の記事で取り扱われている薬は一桁違う。
キムリア(ノバルティス社)は急性リンパ性白血病に対するCAR-T細胞療法。
イエスカルタ(ギリアド・サイエンシズ社)は非ホジキンリンパ腫に対するCAR-T細胞療法。
いずれも画期的新薬であることは疑いないのだろうが、1回4000万円から5000万円・・・。
ホンマかいな。
もはやここまで来たら、「常軌を逸している」と言わせてもらっていいだろう。
家を売っても、たった1回の治療費すら払えない。
こうした治療を賄っていたら、国民健康保険も民間医療保険も、あっという間に破綻してしまうのではないか。
「人の命はお金に代えられない」
ごもっとも。
しかし、これらの治療が国民健康保険で制限なくできるようになれば、病気は治るかも知れないけれど、人も国も、経済的に破滅するだろう。
医師であることの罪悪感にさいなまれて仕方がない。